もしも……………… 2nd

α10 KZ兄妹の学校生活 ページ38

「やっべぇ！おい悠飛！数学の宿題見せろ！」

「は？ヤだよ」

「頼むよー。俺今日当たるんだって」

「……じゃあアイス」

「え！ヤだけどいーよ！何味？」

「………苺」

「はっ！？苺がいーの！？女子なの！？」

「ちげーよ。俺じゃなくて……「ああ！彩ちゃんか！」

「………」

「えー全然オッケー！！むしろ貢げるなんてうれし……ハイハイすいませんでしたー。
そんなガンとばすなよ」

「思い浮かべるな。もう頼まない」

「えー！それはヤだ！でもさぁ……思い浮かべないのは……今無理かなー」

「は？何で……」

俺がスマホから顔を上げると、八代が教室のドアを指差していた

俺がその方向を見れば、クラスの奴らが男女問わず、ドアに群がっている


まさか………………


俺は嫌な予感を覚え、クラスの奴らをかき分けて進んだ

すると案の定……………



「あ、悠飛くん」

あどけない顔で俺を見上げる、彩がいた

「何やってんの彩………。ダメじゃん、1人でここまで来たら」

俺がそう言うと、彩は少し俯いて、控えめに答える

「ご、ごめんなさい………」


くそ、かわいい……←


俺は彩を抱き上げ、校舎の隅の非常階段まで行き、ドアを開けた


ったくあいつら……ちょっかいかけたら許さねぇ


「あの……悠飛くん…」

「お？」

彩は俺に抱かれたまま、申し訳なさそうに言った

「ここまで来ちゃってからで、申し訳ないんだけど……」

「ああ、どうしたの」

「………辞書……かしてほしくて……」

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