もしも……………… 2nd

α8 黒木君の内緒ゴト ページ12

「はよーっす黒木ーー」

部屋を出てすぐ聞こえてきたのは、砂原の声

「おはよう」

そう返せば、丁度砂原の後ろから、片山が出てきていた

俺の方を見ながら、左手の人指し指を立て、口元にあてている

「わっっ！！」

「ぉわっ！！ビビったー！」

砂原なら気付きそうだが、眠かったのか、他ゴトを考えていたのか

「やめろよなー。おかげで眠気ぶっ飛んだし」

「ははっ。よかったじゃん」

そう言いながら片山は、チラッと俺を見る

「ま、ガキな黒木センセーは、毎朝“天使”に起こされてるけどな」

それを聞いて、自然と口角が上がる

「ふっ。羨ましいだろ」

「ちっ」

「いーなー。俺も立花に起こされてー」

そう

実は毎朝起こされているのは俺だけ

他の面々は自分で起きている

まあ中々起きない七鬼なんかは、週4のペースで起こされているけども

なぜ、不平等を嫌う彼女が、俺だけ(・・)起こすのか
みんな彼女が好きなのに、俺だけ(・・)が起こされている状況に何も言わないのか

それは、

それは………………………


「おーい黒木？」

砂原の声

「乗らない？」

見ればエレベーターの中で、片山と一緒に俺を待っていた

「ああ、今行くよ」

それは……………



それは

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