未来へ繋がる物語 - 龍炎寺タスク -

＃第一章…新たな命＃３ ページ5

＊＊＊




なんとか乗客やナンパしてきた男達に誤解を作る事が出来たと思う。

そしてダビデと共にバスを降り、少し歩いた所で会話を楽しむ。





『ありがとね、話合わせてくれて。』



「相変わらずAチャンは人気だからねぇ。
　そう言えば、タスクチャンとはどうよ?」



『…タスクとは…もう終わったの。』





元恋人の話題を出され戸惑うA。ダビデと目線を外し、垂れてきた髪を耳に掛けた。そんなAの様子を見て、ダビデはニヒルな笑みを浮かべてAを見た。





『お互いに未練なんて無いし、ほら…っ、タスクも私も仕事が忙しいから…』



「すれ違っちゃったってワケだ。」



『まぁ…そうなんだよね。』






そこで会話が途切れ、沈黙が続く。Aはそれがとてつもなく苦痛で、今すぐ叫んでスッキリしたいくらいだった。





『あ…っ。』





腕時計に目を移してみると、約束の時間の５分前と言う事が分かった。頭が真っ白になり、一瞬顔が冷たくなる感覚がした。





『ダビデ、ごめんなさい。
　悪いけど、もうすぐ約束の時間なの。

　じゃあね。』



「おー、じゃーねぇ。」




＊＊＊

＃第一章…新たな命＃４→←＃第一章…新たな命＃２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す