「計算すると僕は＿＿＿＿思春期男子、100％です」- 真名部 陣一郎 -

ツンデレラ 05 ページ5

「み、皆帆くんっ」


「……ん？」



目を合わせたかと思うと、
彼はいきなり和人の背中に隠れ出した。

眼鏡をくいっと持ち上げて、あたしを見つめている。




「だ、誰ですかあの人……」


「A？ Aは僕の幼馴染」




和人がそう簡単に説明すると、
何故かホッとしたのか、「幼馴染？」と間の抜けた声を出していた。




「よろしく、えーっと……？」


「A、こっちは真名部陣一郎くん。
イナズマジャパンで同じメンバーだったんだよ」



「へー、じゃあサッカー出来るんだ？
よろしくね、陣ちゃん」




右手を前に出すと、彼も右手を静かに出した。

……が、



「……陣、ちゃん？」




どうやら違和感だったらしい。
「そう陣ちゃん」と冗談のつもりで言うと




「ぼ、僕は女の子ではありませんよ！ 失礼です！」




なんてマジレスしてきやがった。





「……めんど」


「まあまあA」





和人があたしをなだめるけど、
和人が言うのは納得がいかなかった。




「第一さー、人見てなんか奇声あげて？
んで挙句に和人の後ろ隠れてさ、そっちこそ失礼じゃん？」



「……え」




「こっちは仲良くしようと思ってそう可愛く呼んでるのにさ
自分のことを棚にあげてーー





と、彼をみると、







彼は口をぽかんと開けて、



泣いていた。


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