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炎の燃えるとても焦げ臭い香りが鼻孔を通り、肺から胃袋へと広がっていく。
仁人「!!」
体を起こそうとするが、体が重く、激痛が走り顔をしかめる。
ここは…?!
どういうことだ…?
私は…生きてる…?
そうだ!!
柔太朗と太智は?!
仁人は慌てて辺りを見回した。
すると、自分の体の上に柔太朗が覆いかぶさっているのが見える。
仁人「おい、柔太朗!!柔太朗!!!」
仁人の叫びで、柔太朗の体がピクリと動き、重たそうに体を持ちあげながら、起き上がった。
柔太朗「じ、仁人?!お、俺は…生きてるのか…?!あの時…雷に…撃たれたはずなのに…」
柔太朗は自分の体を見下ろし、しきりに体中を触って自分の無事を確かめていた。
それを見て、仁人の瞳から涙が溢れ出していく。
仁人「柔太朗……。生きてる……。生きてるよ……私達……」
柔太朗「なぜだ…。てっきり俺が、恐ろしいほど格好良く、儚いほど美しくお前を守って散っていったと思っていたのに……」
仁人「えっ?あ、あぁ…そうだな……」
仁人(いや、確かに格好良かったけども、それを自分でそんなどや顔で言う……?)
仁人「いや、そんなことより太智は?!」
仁人が振り返った先で、太智がうつ伏せになって倒れているのが見える。
仁人と柔太朗は体を引きずって太智の元へ急いだ。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時