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炎の燃えるとても焦げ臭い香りが鼻孔を通り、肺から胃袋へと広がっていく。
(むせ)るように瞼を持ち上げると、そこには黒い雷が激しく鳴り響く暗黒の雲が広がっていた。

仁人「!!」

体を起こそうとするが、体が重く、激痛が走り顔をしかめる。


ここは…?!


どういうことだ…?


私は…生きてる…?


そうだ!!


柔太朗と太智は?!


仁人は慌てて辺りを見回した。
すると、自分の体の上に柔太朗が覆いかぶさっているのが見える。

仁人「おい、柔太朗!!柔太朗!!!」

仁人の叫びで、柔太朗の体がピクリと動き、重たそうに体を持ちあげながら、起き上がった。

柔太朗「じ、仁人?!お、俺は…生きてるのか…?!あの時…雷に…撃たれたはずなのに…」

柔太朗は自分の体を見下ろし、しきりに体中を触って自分の無事を確かめていた。
それを見て、仁人の瞳から涙が溢れ出していく。

仁人「柔太朗……。生きてる……。生きてるよ……私達……」

柔太朗「なぜだ…。てっきり俺が、恐ろしいほど格好良く、儚いほど美しくお前を守って散っていったと思っていたのに……」

仁人「えっ?あ、あぁ…そうだな……」

仁人(いや、確かに格好良かったけども、それを自分でそんなどや顔で言う……?)

仁人「いや、そんなことより太智は?!」

仁人が振り返った先で、太智がうつ伏せになって倒れているのが見える。
仁人と柔太朗は体を引きずって太智の元へ急いだ。

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設定タグ:M!LK , 勇者   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時

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