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仁人「…!!」

そして、私は目を疑った。
自分の右手の甲に、眩く輝く鮮やかな黄色の印が浮かび上がっている。

仁人「こ、これは…!」

それを目にした私の頭が割れるように痛む。


違う…


違和感や不快感が頭の中を駆け巡り、抜け落ちた感覚が全身を埋め尽くしていく。


違うんだ…


全身を埋め尽くす感覚が、やがて痛みに変わり、体中に激痛をもたらしていく。


そうだ…!


これは違う!


私は…


「仁人!」


また誰かに呼ばれた。
気がする…。
私はその言葉で視線を上げると、家の玄関の扉がまばゆい光を放っている。

仁人「そうだ…。私は…行かないと…」

全身の激痛が、全ての穴を埋めていく。
零れ落ちた記憶も、過去も、現在も、そして未来さえも…。

仁人母「待ちなさい。行くってどこへ?今更どこに行こうって言うの?!」

仁人父「そうだ。行ってどうするっていうんだ?一体何ができるって言うんだ?!」

仁人「ごめん…父さん…母さん…。それでも、行かなきゃいけないんだ…。私の在るべき場所へ…!」

私の視線の横を、黄色い光が通り過ぎる。
それだけじゃない。
赤、紫、白、青、桃、そして、黄昏のような色とりどりの光が、私の視線を通り過ぎていった。
そして、目の前の扉がまるで私を呼び戻すように更に眩く輝きだす。


仁人「母さん…。一体何のために戦うのかってさっき聞いたよね…。それは…」


私は、扉のノブに手をかけ、その輝く扉を開けて外へ飛び出した。

辺りは炎に包まれ、黒い煙が立ち込め、空は暗黒の雲が広がっている。

仁人「この世界を救うために、私は……。いや…私たちは戦うんだ!!」

そして私は、煌く光に包まれて瞼を閉じた―。


 

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設定タグ:M!LK , 勇者   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時

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