M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part7 (ページ4)

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仁人「地獄…？」

側近「えぇ…。今から地獄の苦しみをあなたに行って差し上げます。もしも、それであなたの心が折れずに残っていた場合、私が国王に掛け合って戦争を止めてあげる。もちろんこの二十四時間、あなたが地獄の苦しみを耐え続ければ、その間も戦争は始まらない」

そう言いながら、側近は仁人の方へゆっくりと歩み寄ってきた。
そして、涙の伝うその頬に静かに手を添える。

側近「うふふ」

不気味に微笑むと、徐(おもむろ)に自分の服の内から銀色に輝く万年筆を取り出すと、それを思い切り仁人の肩にできた傷口に突き刺した。

仁人「ぅあ゛あああああ！！！」

まだ塞がっていないその傷口から、血が溢れ出す。
更に側近は万年筆を掻(か)き回し、無理矢理傷口を広げようとしてくる。
あまりの激痛で、また意識が飛びそうだ。

仁人「ぁぐっ？！！あああああ！！」

側近「素敵な悲鳴ですわね」

ある程度仁人の傷口をまさぐると、側近は万年筆を引き抜いて血で汚れたその筆先を仁人の内衣で拭(ぬぐ)いだした。
今も燃えるような激しい痛みが残り、目がチカチカして前がよく見えない。
痛みで足に力も入らず、自力で立っていられないため、頭上で縛られた腕だけが支えになって、ほとんど吊るされてるだけの状態と言っていい。
鎖で縛られていなかったらこのまま倒れて起き上がれなかっただろう。
呼吸もうまくできず、ぜえぜえと喉が鳴る。

仁人「はぁー…はぁー…ぁ…ぁあ…っ…はぁー…はぁー…」

側近「どう？辛いでしょ？心が折れそうでしょ？でも、もしも心が折れて、"助けてくれ"と言った場合は、その場であなたは解放してあげる。でも戦争は止まらない。あなたの仲間も皆殺しにする。あなただけみっともなく生き残って、戦争という地獄を目の当たりにするのよ」

側近の冷たい眼が仁人をにらみつける。
まるで蛇ににらまれた蛙のように、仁人は身動きが取れない。

なんなんだ…この冷たい眼は…。
　