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仁人「もう…いい…。"殺してくれ"…」
拷問官「あ?なんだ?」
仁人「私を…殺してくれ…」
"殺してくれ"、その言葉を口にするということは、自分の命も、仲間たちの命も、この世界も、全てを諦めてしまうということだ。
出来るならば、こんな決断はしたくなかった。
それでも、もう仁人にはどうすることもできない。
どうあがいても、いくら策を練っても、もう何もできない。
拷問官「はは!とうとう絶望したか?お前ごときが世界を救うなんておこがましいってようやく理解したか?お前の仲間も戦争に巻き込まれて死ぬだろうし、お前ら全員こんな無駄なことをして馬鹿みたいだな」
そう言いながら、拷問官は笑顔でライフルを構え、仁人の
拷問官「最後に言い残したことはあるか?遺言ぐらいは聞いてやるぜ」
仁人「私たちは…無駄なことなんて…何一つしてこなかった…!!!」
大粒の涙を流し、拷問官の顔を睨みつけながら、仁人はそう叫んだ。
悔しくて、そう言うのが精一杯だった。
例え今から全員死ぬんだとしても、そう言わないと、これまでの戦いのすべてが無駄になってしまう気がした。
こんなに、傷ついてきたのが何もかも無駄になって、本当にただの馬鹿になってしまう。
だから最期にそう言わないと、仁人の心も、仲間達の心も何も報われない気がしたのだ。
拷問官「馬鹿か?結局死ぬんなら、全部無駄だったってことだよ!!きたねえ顔しやがって、自分の間抜けさを悔やんで死んで行け!!ゴミくずのカスが!!」
仁人の最期の言葉を聞き終えた拷問官は一層笑みを浮かべ、引き金に指をかける。
仁人「………」
そして、仁人は止まらない涙を塞き止めるようにゆっくりと瞼を閉じた。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年11月18日 16時