M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ42)

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スロース「ふざけるな…。そんな情けはいらない…！そう言うところも、嫌いなんだよ…君ってやつは…本当に…！！」

血まみれの体が地面に倒れ、みっともなく這(は)いつくばっている。

瑞生「やっぱり気が合うね。僕も君が嫌いだよ。だから、ここで君を見逃すのさ…」

スロース「意味が分からない…。人間の考えていることは…本当に…意味がわからない…」

スロースはそう言って、地面の砂を握りしめた。
その時だった。
洞穴の中にそれは突然現れた。
重くて冷たい空気が辺りを支配する。

瑞生も、琉弥も、舜太も、スロースさえも、その空気で動けなくなった。

プライド「スロース、お前こんなところで何をやっている」

空中に浮かぶそれは、冷たい眼でスロースを見下(みくだ)していた。

スロース「プ、プライド、さん…？！」

プライド「なぜ背を向けた勇者に攻撃をしない？あいつらを殺す絶好のチャンスだったではないか」

スロース「それは…この傷で…攻撃が…」

プライド「この俺にそんな嘘は通用しない。まさかお前、情けをかけられて絆(ほだ)されたのではないだろうな？」

スロース「そ、そんなわけ…ないじゃないですかー…」

スロースはそう言って、体勢を立て直してゆっくりと岩を支えに立ち上がった。

スロース「じゃ、じゃあ今から…僕、頑張りますねー…」

血の滴(したた)る震える手を、瑞生たちの方に差し出す。

プライド「いや、もういい」

それは一瞬だった。
プライドの腕がスロースの心臓を貫いていた。
　