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一方その頃―。
瑞生「雨が強くなってきた…。このままじゃ、手掛かりがあったとしてもすぐ流されてしまう…」
川原でしゃがみ込み、勇斗に繋がる
しかし、空からはとめどなく雨が降り続け、瑞生たちの体を刺す。
瑞生「二人とも、大丈夫かい?」
瑞生は舜太と琉弥の方を確認した。
炎を操る舜太でさえ唇を青くしながら、肩を震わせている。
何日も雨ざらしで、さっきまでこの川の中に体を入れていた。
三人の体はすでに芯まで冷え切っていた。
瑞生「このまま闇雲に探していても仕方ないか…。二人とも、少し休憩しようか?体を温めよう」
川の近くの森の中に入り込み、木陰で雨をしのぎながら舜太の炎で体を温める。
舜太「勇斗君に会いたいなぁ…」
琉弥「俺も…」
舜太と琉弥はすっかり落ち込んで、揺らめく炎をただ見つめるばかり。
瑞生「会えるさ…。必ず」
そうは言ったものの、どうしたものか。
あの崖からここまで、ほとんど手掛かりはない。
数枚のローブの切れ端が見つかっただけ。
もっと川下まで流されたのか…?
しかし、ここは川幅が広く、
岩も多く、人が流れていたらそこに引っかかるはずだ。
流れ着くとしたらここまでだろう。
だからこそ、これだけ探しても見つからないことが不安を誘う。
もっと川上で溺れて沈んでしまったのか、あるいは―。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月28日 19時