ページ ページ25
太智は一人、町の中央で雷を放ち続ける。
太智「お願いだ…！止まってくれ！」
戦いの
すると、稲光の遠く向こうで、仲間たちがこちらに駆けつけてくれているのが目に入ってきた。
太智「皆…！俺、今最高に目立って―」
仲間に向かって言いかけて、その言葉は途中で途切れてしまった。
雷鳴に負けないぐらいの大きな発砲音と共に、太智の右肩やわき腹、左足から大量の血が噴き出した。
激しい痛みが襲い、鉛弾が自分の体を貫通していく。
太智「え…？」
野盗頭「ガキがうるせえんだよ。もっと静かにしろよ。戦いが終わっちまうじゃねえか」
野盗の頭と、手下数人が、太智に向かって拳銃を向けていた。
銃口からは今しがた発射された後の煙が立ち上っている。
野盗頭「今度は頭ぶち抜いてやる」
そう言って野盗頭は、血まみれで倒れこむ太智の頭に銃口を向ける。
しかし、その銃口は桃色のローブを
野盗頭「ああ？」
さらにその人物は、野盗頭の
勇斗「早く太智を安全なとこへ連れていけ！！」
柔太朗「お前も一緒に来い、勇斗！」
勇斗「俺のことはいい！！こいつらを止めとくから早く行け！！」
仁人「ダメだ！！勇斗も来てくれ！！柔太朗！！あいつらの足元を凍らせろ！！」
柔太朗「…わかった！」
仁人の言葉で、柔太朗は野盗達の足元の地面を凍らせていく。
野盗頭「な、なんだこれは…？！」
仁人「舜太！！氷の上に炎を！！」
舜太「は、はい！！」
急いで舜太は柔太朗が凍らせた地面の上に炎を放った。
すると、凍った地面が一瞬で蒸発し、その場に濃い霧がかかる。
野盗頭「なっ？！目くらましのつもりか？！お前らやれ！！」
その言葉で、手下の野盗達は持っていた拳銃でそこら中に発砲した。
しかし、霧が晴れると血が広がる地面があるだけで、そこにはもう誰もいなかった。
やがて、気を逸らす物が無くなった町の戦いは再び始まり、その勢いはさらに強くなっていった―
―
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月7日 16時
