ページ ページ42
柔太朗「させるか!!」
柔太朗、舜太、琉弥の三人は力を振り絞って立ち上がると、その尻尾を自分達の体で受け止めた。
柔太朗「ぐはぁ!!」
舜太「ぐあっ!?」
琉弥「うぐぅ!!」
九尾の狐「くかかかか!!死に損ないを守ったところで、どうせ全員あの世に行くのだぞ!愚かな者どもだ!」
三人は血を吐きながらその場で
九尾の狐「もうよいだろう。お前たちの力も吸収し、余は更に完全に近づく!」
五つの尻尾の内、真ん中の三本が長く伸びると、舜太、琉弥、柔太朗の体に巻き付いて締め上げた。
舜太「ち、力が…抜けてく…」
九尾の狐は、尻尾の先で締め付けている勇者から、その力を吸収していく。
九尾の狐「力が溢れてくる…!くかかかかかか!!」
残った二本の尻尾が更に枝分かれし、遂に七本までその数が増えた。
柔太朗「こ、このままでは…」
巻き付いた尻尾をどうにか振りほどこうともがくが、逆にどんどん締め付けられて身動きが取れなくなっていく。
九尾の狐「無駄だ。あと二本で余の力は完全に復活する。そうすればそこで転がっている四人もろとも汝らをあの世に送ってやる!」
尻尾がまた更に一本、枝分かれする。
柔太朗(くそ…。俺の力では…これ以上どうすることもできないのか…?また、大切な人が目の前でやられていくのを…見てることしかできないのか…?つくづく、俺は魔王と名のつく奴とは、相性が悪いらしいな…)
あと一本尻尾が増えると、九尾の狐は完全に力を取り戻し、この世界は再び魔物に支配されてしまう。
そうなる前に、なんとか、こいつを―。
九尾の狐「もう遅い。余は完全に復活する…!」
―
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時