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舜太「君のハートにボレーシュート!!!」
襖が開かれた瞬間、炎の球が勢いよく飛び出す。
「なんだ?!」
「やはり効いてないじゃないか!」
「そ、そんな?!」
部屋の中には、二人の勇者が立ち上がって戦闘態勢をとっている。
そして、襖の外ではこの旅館の女将を筆頭に、何人もの村人が立っていた。
舜太「ほ、ほんまに女将さんが…」
女将「なぜ私の毒が効かん…。私の料理を食べたんじゃなかったのか…?」
舜太「食べたよ!でも、俺と琉弥は毒なんか効かへん!」
女将「ちっ…。だがまぁいい。所詮はガキ二人…。どうということはない」
琉弥「お前達、一体なんでこんなことするんだ?!」
女将「ふ、ふふふ…それはな、お前たち勇者に復讐するためさ」
琉弥「な、何で…?!俺達がお前たちに何かしたって言うの?!」
女将さんの黒く長い髪が徐々にうねうねと動き出し、まるで蜘蛛の足のように四本の束になっていく。
女将?「したさ…お前たち勇者は、私たちの主人、魔王様を殺した!!」
舜太「魔王…?!」
女将?「私たちは魔物の生き残りなのさ」
やがて女将さんの姿は、巨大な蜘蛛の怪物へと変わっていく。
更に、他の村人たちの姿も異形の物へと変化していく。
舜太「てっきり魔物はおらんくなったと思ってたのに…!」
琉弥「この辺には魔力が充満しすぎてて、瑞生君もこいつの気配がそれに埋もれて気が付かなかったんだ…」
勇者達が魔王を倒してから、この世界に魔物はいつの間にかいなくなっており、七つの大罪が復活するまでは、平和が続いていた。
それがまさか、こんな村に魔物が潜んでいたとは…。
舜太「じゃあこの村には魔物しかおらんってことか…」
女郎蜘蛛「そう。そして近隣の村の巫女の力を使い、人間どもを集めて、それらを食って力を蓄えてきた」
舜太「え?!き、近隣の村の巫女って…まさか…」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時