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琉弥「あの神楽って人の事…?!」
女郎蜘蛛「そうだ…」
琉弥「お前があの人の魂を操って神隠しを起こさせていたのか…」
女郎蜘蛛「だったらどうした?」
舜太「許さへんで!!」
女郎蜘蛛「ふふ、抜かしよる。あの巫女を操っていた私の糸に引き寄せられ、むざむざ私の巣であるあの森に入って来よったくせに…」
魔物は不気味な微笑みを二人に向けてくる。
舜太「え?!じゃ、じゃあ俺達があの森に入ったんって…」
女郎蜘蛛「偶然などではない!あの時から、お前たちは私の蜘蛛の巣に引っかかっていたのさ。もう逃げられんぞ」
琉弥「そ、そんな…」
女郎蜘蛛「お前たちが勇者だとわかった時は胸が躍ったものだ…。ふふふ…ようやくこの時が、魔王様の仇を打つことができる時が来たとな!」
女郎蜘蛛は口から糸を吐き出すと、舜太と琉弥を吹き飛ばした。
女郎蜘蛛「お前たちには毒は効かなかったようだが、どうやらこの四人はそうではないらしいな。まあ、四人もいれば十分だろう」
女郎蜘蛛の足元で、仁人、瑞生、勇斗、太智の四人が苦しそうにうなされている。
それを見て、女郎蜘蛛は不気味に微笑む。
舜太「や、やめろ!皆に近づかんといて!」
しかし、女郎蜘蛛は四人にめがけて糸を吐き掛け、繭のようにその体を包み込んでしまった。
そして、四つの繭を四本の足で器用に掴むとそのまま旅館の外へ連れ去っていく。
琉弥「ま、待て!」
その後を追おうとするが、他の魔物がその行く手を阻む。
琉弥「どいてよ!!」
琉弥は毒の息を思い切り魔物たちの吹きかける。
しかし、突然突風が吹き、毒の息は吹き飛ばされた。
舜太「何や今の?!」
突風を起こしたのは、鎌を持った鼬のような魔物だった。
鎌鼬は手に持った鎌を一振り。
するとまた突風が吹き荒れ、周りの家具や壁が真っ二つに切り裂かれていく。
琉弥は急いで襖を閉め、せめてもの防御を試みた。
しかしそれもむなしく、舜太と琉弥は突風に旅館の壁ごと吹き飛ばされてしまった。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時