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太智「そうかもしれないけど…。俺には"あれ"が悪い奴には思えない…。本当にやらなきゃダメなのか?」
瑞生「そうだね…。あれ自身にも、悪いことをしてるって自覚がないんだから、当然さ…」
太智「え…?どういうことだよ…」
瑞生「例えば、小さな子供が、
太智「…」
舜太「…」
瑞生「それと同じさ…」
柔太朗「なるほど…」
仁人「そう…。自分の行いが誰かにとっては悪意になるということがわからないんだ…。善と悪の区別がつかない…自分の行いが、良いことなのか、悪いことなのか、あれは"知らない"んだ。何も、知らない…。そして、何も知らないということは、時には罪になる…」
勇斗「何も、知らない…罪…か…」
瑞生「欲望程人間を腐らせるものはない…。あれは知識欲の塊だ。自分の欲する知識を欲望のままに集めている。そして、その知識で他の大罪をサポートするのが目的なんだろう。それが例え、この世界を破滅に導くとしても、あれにはそんなことどうでもいいのさ。そして、そんな風に、この先、無自覚に、無意識に、あれは自分の欲望を満たすために人々を罪に落とすだろうね…」
シリマルはあの時、こう言っていた。
エンビーが勇者を皆殺しに行くと言ったとき、"琉弥は駄目"だと。
それは裏を返せば、琉弥以外はどうなってもいい、自分が友達だと認識しているもの以外は、それが友達の大事な人であろうが、関係ないということだ。
しかし、シリマルはそれを、良いことだとも、悪いことだとも思っていない。
ただ、自分の友達が殺されるのが嫌という、自分の欲望しかそこにはない。
仁人が見た通り、勇者達の情報も、どうやらあのように他の七つの大罪にリークしている。
それすら、本人はただ自分が手に入れた情報をしゃべっているだけ、その行為そのものが、誰かにとっては"悪いことになる"いう認識など、ないのだ。
太智「やっぱり…こうするしかないってのかよ…」
仁人「あぁ…。だから…私たちは、琉弥の決意を…しっかり見届けてやろう…」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時