検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:8,706 hit

ページ ページ4

太智「そうかもしれないけど…。俺には"あれ"が悪い奴には思えない…。本当にやらなきゃダメなのか?」

瑞生「そうだね…。あれ自身にも、悪いことをしてるって自覚がないんだから、当然さ…」

太智「え…?どういうことだよ…」

瑞生「例えば、小さな子供が、(あり)の巣を掘り起こしたり、蟻の行列を踏みつぶしたり…。それは一見して無邪気に遊んでるようにしか見えないし、本人にも悪気があるわけじゃない。あるのはただの好奇心という"欲望"だけだ。でも、違う方面から見れば、それは残酷な行いに他ならない」

太智「…」

舜太「…」

瑞生「それと同じさ…」

柔太朗「なるほど…」

仁人「そう…。自分の行いが誰かにとっては悪意になるということがわからないんだ…。善と悪の区別がつかない…自分の行いが、良いことなのか、悪いことなのか、あれは"知らない"んだ。何も、知らない…。そして、何も知らないということは、時には罪になる…」

勇斗「何も、知らない…罪…か…」

瑞生「欲望程人間を腐らせるものはない…。あれは知識欲の塊だ。自分の欲する知識を欲望のままに集めている。そして、その知識で他の大罪をサポートするのが目的なんだろう。それが例え、この世界を破滅に導くとしても、あれにはそんなことどうでもいいのさ。そして、そんな風に、この先、無自覚に、無意識に、あれは自分の欲望を満たすために人々を罪に落とすだろうね…」

シリマルはあの時、こう言っていた。
エンビーが勇者を皆殺しに行くと言ったとき、"琉弥は駄目"だと。
それは裏を返せば、琉弥以外はどうなってもいい、自分が友達だと認識しているもの以外は、それが友達の大事な人であろうが、関係ないということだ。
しかし、シリマルはそれを、良いことだとも、悪いことだとも思っていない。
ただ、自分の友達が殺されるのが嫌という、自分の欲望しかそこにはない。
仁人が見た通り、勇者達の情報も、どうやらあのように他の七つの大罪にリークしている。
それすら、本人はただ自分が手に入れた情報をしゃべっているだけ、その行為そのものが、誰かにとっては"悪いことになる"いう認識など、ないのだ。

太智「やっぱり…こうするしかないってのかよ…」

仁人「あぁ…。だから…私たちは、琉弥の決意を…しっかり見届けてやろう…」


 

次ページ→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:M!LK , 勇者   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。