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向日葵の住む村から少し離れた場所に、色とりどりの花が一面に咲く花畑があった。
穏やかな風が吹き抜ける中、その花畑を琉弥が歩いていた。
そして、琉弥の前を白い球がコロコロと転がっている。
シリマル「リュウビト、オサンポ、タノシイ！」
琉弥「うん、そうだね」
シリマル「リュウビト、イッショニイルト、シリマル、タノシイ！」
琉弥「俺も、楽しいよ」
シリマル「シリマル、マイニチ、タノシイ！」
琉弥「そっか。俺も、毎日楽しいよ。シリマルといると」
シリマル「リュウビ…ホントウニ、タノシイ？」
琉弥「え？もちろんだよ」
シリマル「ジャア、ナンデ、ナイテルノ？」
琉弥「…」
コロコロ転がるシリマルは、くるっと琉弥の方を振り返る。
琉弥の目からは、とめどなく涙があふれていた。
琉弥「こ、これは…泣いてるんじゃないよ」
そう言って琉弥はしゃがみ込み、シリマルを手に取って引き寄せた。
シリマル「リュウビ、カナシイノ？ドコカ、イタイ？」
琉弥「違う…違うよ…。これは…、そう。花粉が…目に入っちゃったんだ…」
シリマル「リュウビ、ナイテルト、シリマル、カナシイヨ」
琉弥「そうだよね…ごめんね…シリマル…」
琉弥はそっとシリマルを抱きしめる。
その様子を、木の陰から六人の仲間が見守っていた。
太智「やっぱ琉弥には無理だ…！あんなの可哀想すぎる…！俺が…！」
太智はそう言うと、琉弥の方へ駆けだそうとした。
しかし、その肩を仁人は押さえつけた。
太智「仁人…！」
仁人「行っちゃだめだ…。あいつが…琉弥が、自分で決めたんだ…。自分一人で、自分の意思で…こうするって…」
太智「でも…！」
舜太「あれは、琉弥の友達なんやで…？！いくらなんでも…こんなこと…」
仁人「琉弥は今、一人の勇者として、自分の足で一歩踏み出そうとしてる…。そんな琉弥の思いを、気持ちを、私は尊重したい…」
そう言う仁人の表情も、何かと葛藤しているように見えた。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月23日 19時
