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瑞生「だから、そんな急に大声出しても誰も驚かないよ」
仁人・勇斗・舜太・琉弥(あっ…めっちゃ驚いちゃった…)
太智「ち、違うって!!背中になんか入ってきた!!!」
太智はそう言って背中をかきむしる。
柔太朗「落ち着け。ちょっと見せてみろ」
柔太朗はそう言って太智の青いローブを引っ張ると、中のシャツをめくりあげた。
太智「は、早くとって!!いやあああ!!!」
柔太朗「おとなしくしろ!!」
そんな暴れる太智の背中に、一匹の蜘蛛が張り付いている。
黒く、小さな蜘蛛。
柔太朗「これだな」
そう言って柔太朗は、その蜘蛛を手に取った。
太智「あ、ありがとう柔様ぁあああ!!」
太智は目に涙を浮かべていた。
柔太朗「まったく、蜘蛛一匹に人騒がせな…」
柔太朗は呆れた表情を浮かべ、少しほほ笑んだ。
柔太朗「っ!?」
しかし、柔太朗は手に鋭い痛みを感じ、その場でうずくまった。
柔太朗(な、何だ…?!この蜘蛛か…?!)
柔太朗はさっき太智の背中からつかみ取った蜘蛛が、自分の指に噛みついているのが見えた。
やがて、目の前がくらくらと歪んでいく。
駄目だ、このままでは―。
柔太朗は意識を保っていられなくなり、その場でばたりと倒れこんだ。
瑞生「今度は柔様かい?だから、そんなことしても誰も驚か―」
仁人「ち、違う!柔太朗!!しっかりしろ!」
琉弥「俺によく見せて!!」
琉弥は柔太朗の体をくまなく確認していく。
琉弥(急に汗が大量に出てる…。呼吸も少ない…。それに指に、少量の流血…これは…!!)
仁人「琉弥!何かわかったか?!」
琉弥「柔君は、さっきの蜘蛛に噛まれたんだ!しかも即効性の高い猛毒を流し込まれたんだと思う!急がないと危ない!!」
琉弥はそう言って柔太朗の指に吸い付いた。
太智「あら、琉弥ちゃんたら…そんな大胆な…!」
琉弥「違うよ!バカ!!こうしたほうが手っ取り早く毒を抜けるの!!」
瑞生は、琉弥の代わりに太智の頭を思いっきり引っ叩いた。
太智「あ痛っ!?」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時