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古墳のある湖からしばらく歩いた場所に、数軒の建物が見えてきた。
何人かの村人が畑を耕しているのが見える。
琉弥「やっと建物が見えてきた…」
仁人「至って普通の村に見えるが、この村に一体何が…」
瑞生を呼ぶ声の主がこの村にいるのだろうか。
呼んでいる理由は何なのか…。
神楽「ここが宿屋です。では、私はこれで」
仁人「親切にどうも、ありがとうございます」
神楽は頭を下げると、宿屋とは反対の方向に行ってしまった。
柔太朗「俺たちはどうする？」
瑞生「そうだね…。この村に入ってからあの声は聞こえない…。もう遅いし宿屋に入ろうか？」
一先ず勇者達は今日の宿泊のため宿をとることにした。
受付の老婆がいらっしゃいという声と共に奥の部屋から顔を出した。
受付「こんな時に、よくいらっしゃいました…」
仁人「こんな時？それ、どういう意味です？」
受付「あぁいえ…、この村、実は最近…神隠しが起こるんです…」
琉弥「神隠し…？」
受付の老婆が言うには、数日前から、この村の住人が夜のうちに行方不明になる出来事が相次いで起こっているという。
既に何人もの人が未だ行方不明だそうだ。
瑞生「…」
受付「この村の神様がお怒りになっているんですよ…」
舜太「神様？あの神様？」
舜太は神様と聞いて、自分たちの知っているあの神を思い浮かべながら首を傾げた。
仁人「いや、ここでいう神様とは、多分昔から信仰されて、語り継がれる伝承や逸話の
瑞生「でも、興味あるね、その話」
受付「この村の外れに、周りを湖に囲まれた古墳がありましてな。そこに神様が祭られておるのですが…」
柔太朗「その神様とやらがこの村の人たちを
受付「はい…」
仁人「魔物の仕業か、それとも七つの大罪か…」
柔太朗「そんな邪悪な気配は感じなかったがな…。どちらかというと…瑞生もそう思うだろ？」
柔太朗には、魔物や人でない邪悪なものの気配を感じる力がある。
あの古墳に近づいたとき、柔太朗にはそんな気配を感じ取ることはできなかった。
瑞生「うん、まぁ…」
そうだ、どちらかというと…
悲しみを感じた…
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月23日 19時
