第六章 ページ31
グラトニー<暴食>、ラース<憤怒>、ラスト<色欲>が消滅し、残る七つの大罪はあと四つ。
現在判明しているのは―。
仁人「私が初めに合った、エンビー<嫉妬>」
舜太「俺と勇斗君が戦った、プライド」
瑞生「それから、スロース<怠惰>」
柔太朗「わかっていないのは、あと一つか…」
勇斗「なんだったっけなー。冒険者の仲間が昔言ってたんだ…。あと一つ…確か…」
琉弥「グリード…?」
腕組みをして考え込む勇斗の隣で、琉弥は小さな声でつぶやいた。
勇斗「そう!グリードだ!って、なんで琉弥が知ってるんだ?」
琉弥「え?!あぁ、いや…別に…」
太智「どした?琉弥、前に冒険した時より口数少ないよな?何か悩みでもあんのか?俺でよかったら相談乗るぞー!」
琉弥「いや、何でもないよ…。ありがとう太智君…」
東の楽園を後にして以来、太智はすっかり前のように元気になった。
それとは逆に、城に捕らえられていたのを助けだしてから、どうも琉弥の様子がおかしかった。
食事を数日間していなかったせいで、衰弱はしていたが、今はすっかり体調自体は良くなっていた。
しかし、どこか周りを気にしているというか、何かを隠しているような…。
柔太朗「あの城でなにかあったのか?」
琉弥「な、何にもなかったよ…。俺がただ捕まってただけで…」
瑞生「そもそも、それがわからない。なぜあの七つの大罪は琉弥を
太智「そう言えば、厳密には攫ったつもりはないとか言ってたような…」
勇斗「だ、誰が?」
太智「えー?!誰でもいいじゃん!」
柔太朗「琉弥の能力が狙いだったのか、俺たちの戦力を落としたかったのか、それとも別の何かを狙っていたとか…」
舜太「あれ?そう言えば、シリマルやっけ?あの子は?」
琉弥「!!」
琉弥はぎゅっと抱えていた背中袋を抱きしめた。
太智「シリマル?何それ?」
琉弥「シ、シリマルは違うよ!!」
琉弥は慌てた声で、そう言った。
勇斗「ん?違うって何が?」
琉弥「え?あ、あぁ…いや、何でもない…。シリマル今、この中で寝てるんだ…」
舜太「そ、そっか…。ごめんな?静かにしてあげよっ」
仁人「…そろそろ日暮れだ。私たちも休むか」
東の楽園を出発し、数日。
仁人達は、七つの大罪の手掛かりを探しながら旅を続けていた。
しかし、これといった異変や手掛かりもなく、行く当てもない日ばかり。
仁人「ふぅ…」
仁人は腰の聖剣を側の岩場に置くと、その場に腰かけた。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時