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瑞生「お疲れだね」
仁人「あぁ、いや、すまない。このところ、七つの大罪の捜索で…いや、言い訳だな。疲れているのは皆一緒だよな。今日はしっかり休んで明日に備えよう」
瑞生「…仁人が一番力を入れて探しているのは知ってる。僕が言えたことじゃないけど、あまり無理しないでくれよ。リーダー」
勇斗「そうそう。いっつも俺らのこと気にかけてるし、最近は夜も周りを気にして全然寝てないだろ?ちゃんと知ってるんだぜ?」
太智「ちょっと気負い過ぎじゃね?体もたないぜ?」
仁人「そういうつもりは…。ただ…今回の旅で思うんだ。もっとああしていれば、誰も怪我をせずに済んだんじゃないか…もっとこうしていれば、誰かが犠牲になることもなかったんじゃないかって…。私の浅はかな考えのせいで、皆を危険に
柔太朗「考え過ぎたぞ、仁人。リーダーだからって、お前がそこまで責任を感じることはない」
太智「それに前にも言ったけどさ、仁人はいつも俺たちをちゃんと導いてくれてるよ。お前すげえんだぜ?」
舜太「そうそう!仁人君がおらんかったら、今頃世界は魔王のせいでどうなってたことか」
仁人「私は…」
そんな大それたことなんかできない…皆が言うほどすごくない…
その時だった。
七人の前に、二人の子供がフラフラとおぼつかない足取りでやってきた。
「すみません…。助けてください…」
一人は男の子、もう一人は女の子だろう。
年齢は十歳ほどだろうか。
二人ともボロボロの服を着て、頬はコケ、痩せている。
仁人「どうした?!何かあったのか?!」
「お願いがあります…」
勇斗「いいぞ!何でも言ってみな!」
「あの、もう少しこちらへ来てもらってもいいですか…。もう歩けなくって…」
そう言われ、七人は心配そうにその子供たちの方へ歩み寄った。
そして、十分に近づいたその時だった。
後ろで何やら物音がし、柔太朗が振り返る。
柔太朗「え?!お、おい!!」
柔太朗の声で他の六人も振り返ると、自分たちがさっきまで休憩していた場所から、荷物がすべて消えていた。
消えていた、というか、持ち去られていた。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時