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「？！」
子供は急いで立ち止まり、周りをキョロキョロと見回している。
そして、すぐにわき道にそれると、細い道へ入っていく。
柔太朗「ちっ、往生際の悪い子供だ…！」
更に逃げ続ける子供を追う仁人達。
しかし、その距離は徐々に縮まっていた。
柔太朗「さぁ、この鬼ごっこもそろそろ終わらせるか」
そう言うと、今度は逃げる子供を囲むように氷の壁を作り出していく。
「待て待てーい！！」
氷の壁が出来上がっていく瞬間だった。
大きな雷鳴と共に、稲妻が仁人達を通り越して子供の方へ走る。
しかし、その雷は今しがた出来上がった氷の壁に激突した。
太智「ぶへっ？！！」
柔太朗「だ、太智？！」
太智「な、なんでこんなとこに氷の壁…が…」
太智はそう言うとその場で倒れこんでしまった。
勇斗「うっわ、痛そう…」
舜太「勇斗君！もう追いついたんやね」
勇斗「タイミングは最悪だったみたいだけど…」
「ははは！だっさー！」
仁人「捕まえた」
「あっ！しまった…！！」
仁人は自分たちの荷物を盗んだ子供の肩をがっちりと掴んだ。
仁人「私たちの荷物、返してもらおうか」
「はぁ…わかったよ…」
そう言うと、子供は盗んだ荷物をばらばらと地面に落とした。
仁人「…ありがとう。でも、なぜこんなことをしたんだ？」
「お前らには関係ないだろ」
仁人「そうはいかない。君たちは、私たちに助けてくれって言ったじゃないか」
舜太「それは、俺たちの荷物を盗むための口実なんちゃうん？」
仁人「それはどうだろうな。この村が何か問題を抱えているのは明らかだ」
舜太「え？そうなん？」
仁人「この村の家、不自然なぐらい一つとして家の中が見えないようになっていた。それに外に人の気配もない。まるで何かを隠してるようだ」
瑞生「それだけじゃない。君と君のお友達。皆、何日もまともに食事をしてないんじゃないのかい？」
「…」
その子供も、服はぼろぼろで頬がこけており、顔色も悪い。
仁人「何か力になれるかもしれない。だから、訳を聞かせてくれるか？」
「お前達…一体何者？」
仁人「私たちは、勇者だ」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月9日 17時
