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琉弥の毒と薬によって、勇斗の傷はなんとか塞がり、大事には至らなかった。
その際、この傷で生きている勇斗の体の丈夫さに、琉弥は驚いていた。
琉弥「でも、失った血液までは戻せないよ?しばらくはこの宿屋で安静にしてないとね」
深い霧に覆われた黄泉の霊峰、中腹。
木々が生い茂り、登山道と呼べるものは存在せず、獣道が延々と続いている。
仁人と柔太朗は、宿屋の受付からもらった角灯を手に、その獣道を登っていた。
柔太朗「…」
仁人「どうした柔太朗?勇斗のことが心配か?」
柔太朗「あ、あぁ。まあ…。俺の心が未熟で弱いばかりに、あんなやつに付け込まれて、理性を失い、あんなことをしてしまうとは…。不甲斐ない…」
仁人「心配いらないさ…。勇斗は強い。それに、怪我の方は琉弥が看病してくれているし、氷で冷えた体は舜太に温めてもらっている。私たちは瑞生のために、命のマリーゴールドの探索を進めよう」
柔太朗「そうだな…!」
神から教えてもらった、瑞生を生き返らせることができる唯一の方法。
命のマリーゴールド。
それが、この黄泉の霊峰のどこかに眠っている。
仁人「しかし、マリーゴールドか…」
柔太朗「何だ?」
仁人「あぁ、いや…マリーゴールド。瑞生にはぴったりの花だと思ってな」
柔太朗「なぜ?」
仁人「マリーゴールドの花言葉、何か知ってるか?」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月22日 18時