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仁人「ほ、ほんとに…瑞生か?」
瑞生「そうだよ」
跪く仁人と柔太朗の前に、上半身を起こして座っている瑞生の姿が。
彼は、目の前に座っている仲間に、優しく微笑みかけた。
柔太朗「幻じゃ、ないんだよな?」
瑞生「そうだよ」
仁人「ほんとのほんとに、あの瑞生だよな?」
瑞生「どっから見ても公式の僕だよ」
仁人「う、うぅ、うわーーーんん!!!」
柔太朗「うえーーーーんん!!」
二人は年甲斐もなく、大声で泣きじゃくりながら瑞生に抱きついた。
瑞生「ちょ、ちょっと…苦しいよ二人とも…」
仁人「ひっぐ、よがっだよーーーー!!!」
柔太朗「み、みずぎーーーー!!!ぼえっ!」
泣きじゃくる仁人と柔太朗に両側から抱きしめられ、瑞生は嬉しいような迷惑なような、微妙な表情を浮かべていた。
瑞生「仁人はともかく、柔様まで、そんなキャラだったかい?」
柔太朗「うるさい!俺だって話を聞いてから、ずっと我慢してたんだぞ!」
仁人「この馬鹿!!!何であんなことしたんだ…!!そりゃ、感謝はしているけど…!でも、私が一体…どんな気持ちで…!!」
涙でぐしゃぐしゃになった仁人と柔太朗の顔を見て、瑞生は少しうつむいた。
そんなつもりはなかったけれど、どうやら仁人達には、相当辛い思いをさせてしまったみたいだ…。
瑞生「…ごめん。でも…」
ふと瑞生は、自分の腕の辺りに目をやると、水晶玉とオレンジの大きな花が置いてあるのに気がついた。
そして、その花は役目を終えたかのように、瑞生の腕の中で萎れていき、枯れてしまった。
瑞生(これは…。そっか…僕なんかのために…こんなとこまで来てくれたのか…)
瑞生「二人とも…ありが―」
仁人「びええーーーーん!!」
柔太朗「うおおーーーん!!」
瑞生「え…ちょ、うるさっ」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月22日 18時