M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part1 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:12,594 hit

ページページ7

エンビー「むぐっ…？！うごおおお？！」

しかし、エンビーが振り抜いた拳は、仁人に届くことはなく、突然苦しそうにもがきだした。

仁人「なん…だ…？」

「これ以上、こいつに近づくな」

その声は、仁人が横たわる木の上から聞こえてきた。
ゆっくりと、声のした方を見上げると、満開の桜の木の枝の上に、桜と同じ色鮮やかな桃色のローブが風になびき、誰かが立っているのが見える。
その人物は仁人を見下ろすと、にこっと微笑んで見せた。

勇斗「よっ、まだ生きてるか？」

そこにいたのは、おちゃらけキュンキュン勇者こと、勇斗だった。
勇斗は桜の木から飛び降りると、エンビーと仁人の間に躍り出る。

勇斗「こいつが噂の七つの大罪か…。よくもうちのリーダーをこんなに傷だらけにしてくれたな」

仁人「勇斗…！気を…付けろ…」

勇斗「あぁ大丈夫、大丈夫！すぐ終わらせるから、ちょっとそこで休んでろ」

そう言うと勇斗は腕を一振りする。
すると、見る見るうちにエンビーの顔が青ざめていく。

エンビー「ぎょ…ぎゅ…」

勇斗「なんだ、聞いてたよりも大したことないな」

勇斗の勇者の能力、それは自分の周囲の酸素を操り、窒息、酸素中毒、酸化などを自由にコントロールでき、有機物・無機物関係なく攻撃できる勇者の中でも最強の能力と言われていた。

エンビー「ぎゅ、ぎゅ、ぎゅあああ！！」

エンビーは気絶する一歩手前で、後ろへ跳躍し、勇斗の攻撃可能範囲から離脱することに成功した。