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早速、仁人の前に現れた七つの大罪の一つ、エンビー。
黒いローブを身にまとったその顔の頬は痩け、緑色に鈍く光る目の下には、隈ができている。

エンビー「勇者…魔王を倒したって言うのは本当か…?」

掠れた固い声が風を切る。

仁人「あぁ、そうだ」

エンビー「お前みたいな、弱そうなやつが?あの魔王を?!冗談だろ?!」

エンビーはそう言うと、貧乏ゆすりのように右足をガタガタと震わせ始めた。

エンビー「ふざけるなよ…、お前みたいな!お前みたいなクソガキが?!」

そう言うと、目にも留まらぬ速さでその拳を仁人の顔めがけて繰り出す。
仁人も何とか両腕でガードに成功したが、あまりの衝撃で吹き飛ばされてしまった。

仁人「ぐっ!なんて力だ…!」

手に持っていた聖剣も今の攻撃で手放してしまった。

エンビー「こんな弱い奴に倒せるわけない!わけない!!俺にだってできなかったんだぞ!ふざけるな!!」

エンビーは容赦なく、幾度となく倒れた仁人の体を殴りつけ、踏みつけ蹴り飛ばす。

仁人「うっ!!ぐああ!!ぐはあ!!」

仁人(な、なんて攻撃だ…、防ぎきれない…!)

エンビー「ほら、こんなに弱いじゃないか!!だのになんで?!なんで?!なんで?!で?!!で?!!!」

エンビーの猛攻はやまない。

仁人「げほっ…がはぁ!ゴブッ…!」

仁人の口から大量の鮮血が飛び散り、左腕は折れてしまったのか、あらぬ方向へ曲がっていた。

仁人「う…あ…」

エンビー「ふー!ふー!」

肩で息をするエンビーの前には、血まみれでボロボロになった仁人が倒れている。
そして、仁人の体を足で仰向けに転がすと、折れた左腕を思い切り踏みつけた。

仁人「ぐああああああ!!」

仁人の悲痛の叫びが響き渡る。
エンビーはそれを聞いて、嬉しそうに仁人の左腕を踏みにじった。

エンビー「へへっ…よく見ると、可愛い顔してるじゃねえか…。羨ましい…、羨ましい!ウラヤマシイ!!!何でお前だけそんな…!魔王を倒せて、顔もよくて?!」

エンビーは鋭い蹴りを仁人に喰らわせ、仁人は軽々と吹き飛んで一本の桜の木にその体を打ち付けた。

エンビー「その顔…ぐちゃぐちゃにしてやるぜ」

仁人(も、もう…ダメだ…動けない…。やられる…)

エンビーは仁人の顔めがけ、拳を振りぬいた。

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設定タグ:M!LK , 勇者   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月5日 16時

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