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仁人・瑞生・琉弥SIDE―
黒い煙は西の都を飛び出し、近隣の薄暗い森の中へ入っていった。
仁人「よし、この森で追い詰めるぞ!」
琉弥「あいあいさー!」
木が多いせいか、黒い煙のスピードが徐々に遅くなってきた。
瑞生「よし…、もう少しで僕の水晶玉に閉じ込められそうだ」
夕焼けのハニカミ勇者、瑞生の能力は、自身の持っている水晶玉の中に、対象を封印する能力。
そして、瑞生がその能力で黒い煙を封印しようとした、その時だった。
黒い煙は突然動きを止めた。
「はー…逃げるのも面倒になってきちゃったー…」
気怠そうな声を出すと、その煙は人型に変わっていく。
見た目は人間の十歳ほどで、地面まで届く、寝巻の長い袖を引き摺っていた。
琉弥「こんな子供が七つの大罪?」
「君には言われたくないかもー…」
仁人「降参するなら今の内だぞ。三対一ではお前も分が悪いはずだ」
「そうだねー…。でも、それはどうかなー…。なんちゃってー…君の真似ー…」
瑞生「…」
仁人「さぁ、どうする?」
「じゃあ、こうしよー…」
そういうと、小さい七つの大罪は手を挙げた。
降参の意味なのか…。
しかし次の瞬間、風を切る音と共に、挙げられたその手から何かが飛び出し、仁人の肩を切り裂いた。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月5日 16時