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舜太「お、おっちゃん?!」
すると、店主の体は見る見るうちに醜く膨れ上がっていく。
その体は厨房の棚を崩し、カウンターを突き破り、客席をなぎ倒していく。
勇斗「な、なんだ一体…?!」
三人の目の前には、3メートルはあろうかという巨漢の姿があった。
しかしそれは、元の人間とは言い難く、ぶよぶよに太った体の各所は贅肉が垂れ下がり、立ち上がることすらできていない。
店主?「さすが勇者ー。おでの負けだどー」
間延びした、野太い声が響いた。
仁人「それがお前の本性か…!」
舜太「お、お前一体なんなん!?店主の、おっちゃんは…?!」
店主?「おでは七つの大罪、グラトニー<暴食>。あの人間なら三日前食っちゃったどー」
舜太「っ…?!」
仁人「すでに…遅かったか…。三日前に本物の店主さんと入れ替わったってことか…」
勇斗「お前の目的はなんだ…!そんなことまでして、一体何企んでる!」
グラトニー「おでの目的ー?そうだなー、お腹いっぱい食うことだどー」
勇斗「はぁ?!な、なんだそれ…?!」
グラトニー「人間がお金も払わず食い逃げを続け、自分たちでこの村の食糧をお腹いっぱい食べつくせば、やがてこの村の食べ物は底をついて、良い感じに滅ぶどー」
仁人「自分たちでって…、お前が村の人たちを操ってたんだろ?!」
グラトニー「でもおでは直接食べてないどー。人間が食べてたんだどー。おでは悪く無いどー。まぁ人間が食べたものはおでのお腹に来ることになってたんだけどー」
勇斗「だめだ…、こいつに何言っても無駄だぜ仁人」
グラトニー「食べ過ぎは、罪なんだどー。なんでもやり過ぎは良くないんだどー」
舜太「ゆ、許さへん…!!おっちゃんを返せ!」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月5日 16時