[や.ん.わ.り]Forbidden fruit is sweetest.[学パロ/実.況.者] (ページ5)

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や「今日の帰りの時に林間学校のしおりを配るから、
各自で目を通しておいてね。」
言い終わって、理華さんに目配せする。
すると彼女はほんの少しだけ口角を上げて返してきた。
俺と理華さんしか知らない、無言のやり取り。
自然と出来たルーティーンに俺も笑みが
零れそうになるが、何とか堪えて次に進んだ。

ホームルームを終え、職員室に向かう。
この日の一時限目は俺の受け持つ世界史の授業は無いが、
だからといってサボって良い訳では無い。
職員室があるピーチ棟に入った所で、一年生の
クラスを担当する鶏のなんこつから揚げ先生に会った。
二人で歩きながら会話をする。
鶏「やんわりはこの後何やんの？」
や「放課後の生徒会に使う資料を纏めようかと思ってますよ。
とりなん先生は？」
馴れ馴れしくも刺々しい口調で話し掛けてきた彼、愛称とりなん先生。
俺が質問を返すと、彼はあくびをしながらこう答えた。
鶏「別に。やる事ねえから寝てるわ。」
や「次の期末に向けてのテスト問題制作とかやらないんですか？」
鶏「面倒臭え。」
教師にあるまじき返答だ。
それでも彼なら仕方無いと思えるのが彼の凄い所。
やがて職員室に着き、ドアを開けて自分の机に戻ると
それぞれファイルを一冊ずつ取り出して並べる。
とりなん先生の机の方を見ると、彼はもう
両腕で腕枕を作って机に突っ伏していた。
そうしている間にチャイムが鳴る。
この時間中に出来る事をやっておかないと。

ある程度の作業を終えた時に、近くに紅茶の良い匂いが漂い出した。
そして、コトリと紅茶が入ったカップを俺の机に置かれる。
俺に紅茶を淹れてきてくれたのは。
ブ「やんわり先生、そろそろ一息入れてはいかがですか？」
や「ああ、ブンブン先生。ちょうど一区切り着いた所ですよ。
ありがとうございます。頂きますね。」
こくんと一口飲んで美味しいと漏らす。
微かなハーブの香りが鼻と喉元を通り、特に喉元に数秒程残る。
ブンブン先生からこんな解説が。
ブ「お口に合っていた様で良かったです。
ジャスミンティーの香りは集中力を持続させる
効果がありますから、私もお気に入りなんです。」
や「ジャスミン…。茉莉花高校とも掛けてますか？」
ブ「…あ、本当だ！全然気付きませんでした。」
彼は鈴の様な声で控えめに笑いながらそう言った。
や「紅茶美味しかったです。良かったら俺のコーヒーも飲んで下さい。」
彼からの快い返事を聞いた所で、水筒から
コーヒーを新しいカップに注いで彼に渡した。