21ページ From:私 ページ22
出発してから、自己紹介を兼ねた軽い会話をする私達。
ス「えっと、このグループのリーダーのスナザメです。
えーっと…、宜しくお願いします。」
『ふふ。副リーダーの剣持理華です。
スナザメ君とは同じクラスで二人共三年生だけど、
あまり畏まらないで気軽に話し掛けてね。』
隣からのホッとした様な視線と表情に、私は笑顔で返す。
ぽ「poezです。親しい人からは＜ぽず＞って呼ばれてます。
だから皆さんもぼくの事ぽずって呼んで下さい。」
柔らかい声での自己紹介の後に、今度は大人びた少年の様な声が続く。
稲「稲野です。初めて会った人と話すのはちょっと苦手なんですけど、
これを期に克服出来れば良いなって思ってます。」
後に女の子二人の自己紹介が続いた。
一人はpoez君と、もう一人は稲野君とそれぞれ同じクラスとの事。
本当に皆バラバラで選ばれたんだ。
稲「因みに俺とコイツは付き合ってたりします。」
「ちょっと…！ここで言うの…？」
ぽ「そうなんだ。まあそう言うぼくも
この子と付き合ってるんですけどね。」
「ぽず君も…！」
あれ、完全にそうと言う訳でも無いのかな。
彼女達は揃って、恥ずかしそうに顔を赤らめている。
こんな場面を見ていると、やんわり先生を思い出す。
二人は同級生の男の子と恋愛をしているけど、
私が恋をしている相手は先生。
だからか、この二組がそれぞれカップルだと
知った途端に微笑ましく感じていた。
そんな時、poez君から思いもよらぬ爆弾が放り込まれた。
ぽ「じゃあここからはトリプルデートになるんだね。」
私とスナザメ君の体が、瞬時に強張る。
『トリプルデートって。私とスナザメ君は付き合ってないよ。』
ぽ「あれ、そうだったんですか？
仲良さげに話してたから付き合ってるのかと思いました。」
『同じグループの中で知ってる人がスナザメ君だけだったからだよ。ね。』
無言でこくりと頷くスナザメ君。
でも、また顔を少し赤く染めていた。
さっきのりんごちゃん先生との会話の時みたい。
と、話している内にチェックポイントが見えてきた。
ぽ「えっと…、＜食事をする前に抱くものな〜んだ？＞だって。」
立て札に書かれたなぞなぞをpoez君が読み上げる。
その近くの机には籠に入った人参が人数分置かれていた。
スナザメ君がプリントとシャーペンを取り出す。
ス「誰か分かる人いますか？」
こう言うのは難しく考えた方が駄目なんだよね。
稲「あ、俺ちょっと分かったかも。」
少し経ってから、稲野君が声を上げた。
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