[や.ん.わ.り]Forbidden fruit is sweetest.[学パロ/実.況.者] (ページ34)

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むつー先生の号令に続いて、他の皆も声を揃える。
今日で林間学校は終わる為、
夕方には帰りのバスに乗らなければいけない。
それまでにもまだレクリエーションは残されている。
俺はトレイの中の卵サンドを頬張りながら、
次の事について頭の中で考え事を整理した。

全員が食べ終わったのを見計らい、また号令を揃えた。
その後すぐに移動。
近くを歩いていたうばまろ君が苦しそうに
横腹を押さえていたので、声を掛ける。
や「おはよう、うばまろ君。
余計に響いちゃうから急がなくて良いよ。」
う「…はい。朝からホットドッグ二個はキツかったです…。」
や「よっぽどお腹が空いてたんだね。」
う「調子乗ったらえらい事になりました。」
運動部ならまだしも、生徒会にしか
所属していない彼が食べられる量では無いだろう。
この後のレクリエーションは生徒会が
主催するものなのだが、大丈夫だろうか？
理華さんが俺達よりずっと前で歩いているのを見掛けたが、
何やらスナザメ君と話している様で俺には気付いていないらしい。
何故か、少しだけ寂しくなった。
「随分と遅いと思えば、こんな後ろにいたのですね。」
話し掛けてきたのは、うちの生徒会で
風紀委員を担当している女子生徒だ。
彼女は冷ややかにうばまろ君を見つめ、言葉を刺す。
「他の皆さんは既に会場に着いて、準備をしておられますよ。
先生、彼が横腹を痛めたのは恐らくは自業自得でしょう。
うちの生徒会ならば彼を置いていっても
レクリエーションは回る筈ですよ。」
や「こらこら、酷い事言わないの。
自分の限界は迎えてみるまで分からないでしょ？
うばまろ君の頑張りに免じて待っててあげようよ。
生徒会は皆揃って意味を成すんだから。」
「頑張る方向が間違っていると思われます。」
清々しい程ピシャリと言い放つ様は、
俺達に対して心を開いてくれているからなのかな。
…そうであって欲しいな。

会場に着いて、先に待っていた他のメンバーと合流する。
うばまろ君から事情を聞いたALTO君が笑い出し、
つられてテラゾー君も吹き出した。
あ、テラゾー君がぽずに足踏まれた。
テ「な、何で俺だけ…！？」
や「やり過ぎじゃない？ぽず。」
ぽ「皆を待たせてるんだから、作業に集中。
それに、良い目覚めになったでしょ？」
悪い笑顔だな、おい。
手早く作業を終え、既に集まっている生徒や
先生達の前に次々に出て行く。
マイクを持ったテラゾー君がスイッチを入れて
話し出すと、反射的に会場全体が静かになった。