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九通目 ページ10

『か、からかわないでよ!
本気じゃない告白はフラれるよりキツいんだから!』
と「からかってないし本気だよ?
寧ろ本気だから言ってるの。」
その真剣な眼差しに、釘付けになってしまう。
目線を外した先には、驚いた顔で見ているかわぞえ君と
どこか寂しげにこちらを見ているはたさこ君が。
『私、誰かと付き合うとか怖くて出来ないよ。
きっと失望させちゃうかも知れないから…。』
と「気にし過ぎだよ。俺はそんな事気にしないから。」
声色が優しくなる。
同時に私達を取り巻く冷たい空気が、少しだけ暖かくなった様な気がした。
途端、チャイムが鳴る。
と「じゃあ、考えといてね!
また遊びに来るねー!」
少し前までの明るい彼に戻った後、自分の教室に戻っていった。
私は、どう返せば良いの?
次にとりっぴぃ君と会う時に、どんな顔して話せば良いの…!?

時間が経って、お昼の時間。
女友達には他の子達と一緒に食べて貰う事にして、
私は二人の所に向かった。
彼らは普段、隣のうばまろ君達と食べてるらしいんだけど、
今日は私と三人だけで食べたいんだって。
か「なあ、ちょっと聞こえちゃったんじゃけどさ、
さっきとりっぴぃと何話してたん?」
『…昨日観てたテレビの話だよ。』
か「そうじゃのうてさ。」
『え…?』
か「その後。あいつが話してた時に
はるかさんの顔が赤くなっとったけえ、気になったんよ。」
どうやら、うっすら感付かれてしまっている様だ。
『…何でも無いよ。ほら、食べよ?』
か「…何でも無い訳無いじゃろ。そんな慌てて。」
『ほら、はたさこ君も手が止まってるよ!
次は移動教室だから早く食べなきゃ!』
は「……何か、食欲無くなりました。」
そう言うなり、はたさこ君は中身の残った弁当を片付けて席を立った。
は「俺、先に行ってますね。」
彼は教科書とノート、筆箱を手に取ってそのまま外に出てしまった。
『はたさこ君、どうしたの?』
か「………。」
かわぞえ君は何も答えないまま、黙々と弁当を食べ進めていた。

移動教室の後に自分の教室に向かって歩いていると、
『あ、稲野君!』
稲「…宮村。」
去年同じクラスだった稲野君に出くわした。
稲「どうしたの、いつにも増して変な顔して。」
『この顔は元々!
何か、はたさこ君が元気無くてさ。
ハッピーになれる薬とか持ってない?』
稲「そんな危ない物は持ってねえよ。
二人きりの時に話聞いてやれば良いじゃん。
お前なら、そんな空気作れるでしょ?」
今の彼にそれが出来るのかな…?

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月7日 11時

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