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三十六通目 ページ37

か「ああ、そうじゃ!
部活の事でむつー先生に訊きたい事があるんじゃった!
ちょっと先生の所に行ってくるわ!
アンタらは…そうやな、図書室にでも行きい!」
二人が出て行った直後に、そう言ってくるかわぞえ君。
確かにはたさこ君は、この時間はよく図書室に行ってるみたいだけど。
そう思っている間に、かわぞえ君が急いで教室を出て行ってしまった。
『…図書室行こっか。』
は「そう、ですね…。」
僅かな静けさの後、互いに一言ずつ
言葉を絞り出してからそれぞれ立ち上がった。

言葉数が少ないまま、図書室に着く。
そう言えばはたさこ君、いつも図書室で何をしてるんだろう?
ドアを開けた先には、稲野君の姿があった。
その隣には少し前に、泣いていた私を慰めてくれた女の子もいる。
互いに肩を寄せ合っている二人の間には、僅かな隙間も無い様に見える。
この二人って本当に仲良しなんだなぁ…!
途端、二人は慌てて体を離した。
『あの…、私達邪魔だったかな?』
稲「…別に邪魔じゃねえよ。ほら、座れば?」
恥ずかしそうにそう返してくる稲野君の言葉に甘えて、
二人の前の机を使う事にした。
私の前に座っている彼女は、まだ顔を赤らめている。
先程から言葉少なだったはたさこ君が、
とうとう何も話さなくなってしまった。
何故か彼も顔を赤くしている。
やがて稲野君が、その空気を破ってくれた。
稲「ち、ちょっとはたさこ君。
何見ちゃいけないもんを見た的な顔してんの。
俺は別に気にしてねえから。
お前もはたさこ君と同じ顔しないの。
お前がそんな顔したら二人が困るでしょ。」
それぞれ、そう声を掛ける彼。
稲「で、宮村。お前は何でニヤついてんの。」
それに対して、入った時からニヤニヤが止まらない私。
友達の恋って何でこんなにわくわくしちゃうんだろう。
『いやー、何かちょっと面白くて!』
稲「何がだよ。」
『やっばい!何かニヤニヤしちゃう!』
稲「や、やめろよ恥ずかしいな。」
「稲野ちゃん、ここ図書室…。」
稲「わ、分かってるよ…。」
声を荒げた彼を絶妙のタイミングで制する彼女。
諭された彼も顔を赤くしてるけど、
きっとはたさこ君や彼女の時とは違う意味。
『って言うか、稲野ちゃんって呼ばれてるんだね!』
稲「他の奴らだってそう呼んでるでしょ。」
どこか恥ずかしげで呟く様にそう言いながら、視線を外す彼。
『私も稲野ちゃんって呼んで良い?』
稲「…好きにしろ。」
そんな会話をしている隣で、彼女がどこか寂しそうな顔をしていた。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月7日 11時

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