[は.た.さ.こ]ポーカーフェイス・コンプレックス[学パロ/実.況.者]

三通目 ページ4

そして休み時間。
約束通りノートを持って、はたさこ君の席に向かう。
彼は先程一緒にいたかわぞえ君と何か話していた。
私が声を掛けると、二人はこちらに向き直った。
…二人じゃないな、かわぞえ君だけだな。
はたさこ君は相変わらず、目線を下に落としている。
私は貴方に用があるんだよ？
『はい！約束してた例のブツ！』
は「…受け取るのが怖くなる言い方しないで下さい。」
そのやり取りを聞いて、かわぞえ君が笑う。
…そう言えば初めてかも。
こうやって、一人で複数の男子と話すの。
いつもは女の子との間を受け持つ役割だからね。
一頻り笑って、かわぞえ君がこう切り出す。
か「宮村さんは面白いなあ！
なあ、はたさこお！」
は「ああ、まあ…。」
か「おー？何じゃ、照れとるんか？」
は「そ、そんな事…！
あ…、あんまりフレンドリーだから、
どう反応したら良いか分かんないだけです。」
彼からしたら殆ど話した事の無い女子に
昔からの知り合いみたいに話し掛けられる訳だからね。
大抵の人は彼と同じ反応をするんじゃないかな。

そんな彼ことはたさこ君は、まだ私の方を見てくれない。
『ねぇ、はたさこ君。
答え辛かったら黙っててくれても良いんだけど、
もしかして女の子と話すの、慣れてなかったりする？』
彼は無言で、小さく頷いた。
『お、やっぱり？』
は「…わ、笑わないんですか…？」
『何で笑うの？私は普通に質問しただけだよ？』
私が笑わない代わりに、かわぞえ君がふふっと笑った。
か「宮村さん。はたさこは男子校育ちなんよ。
中学の頃だけじゃったけど。な？
やけえ、女子に対する免疫が殆ど無いんよ。」
『え、じゃあ小学校の時はどうしてたの？』
は「その、男友達ばっかりでした。
その頃からこの性格なんで、女子の友達は出来なくて。」
ふーむ、成る程ね。
『じゃあ、私がはたさこ君の友達になるよ！』
二人はこちらを見上げ、目を点にする。
『私は他の女の子とも仲良いし
その子達とのパイプ役なら出来るから、
まずは私を通じて他の子と話せる様になってみようよ！
練習台なら、私が何回でもなってあげるから！』
か「お！確かにそれなら、はたさこも
女子と話せる様になるじゃろな！」
かわぞえ君が頷く中、当のはたさこ君はまだ戸惑っている様で。
『はたさこ君！良いよね？』
敢えて多くは語らず、ただ押し切る。
引いてばっかじゃ、何も始まらないもんね！
は「……あ、あの…、宮村さんが、良いなら…。」
やったー！これで私達は友達同士だ！

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