[は.た.さ.こ]ポーカーフェイス・コンプレックス[学パロ/実.況.者]

二十五通目 ページ26

時間は流れ、ラストシーン。
マリヴィア先生役を演じている例の指導係の子との掛け合い。
「アンジュリカさん、よくここまで着いてこられましたね。
お見事です。貴女の卒業を認めます。」
『やったー！…じゃなかった。ありがとうございます！』
私の演技指導をしながら自分の台詞を覚えなきゃいけない。
そんな忙しい中でちゃんと演技が出来ているのは流石演劇部だよね！
「次に会うのは卒業式になるわね。
さぁ、記念と祝福を込めた魔導宝珠を受け取って。」
『はいっ！』
「では、行きますよ。＜アグリア・メスタ＞！」
彼女の呪文の後に、キラキラと言う効果音が鳴る。
一人ずつ違う色(属性？)の宝珠を受け取る為、
マリヴィア先生はそれぞれ別の呪文を唱えないとならない。
全部考えるの大変だっただろうな。
私や他の吹奏楽部のメンツは急いで
持ち場に戻り、演劇部の皆も定位置に並ぶ。
エンディングは、某ポップな音楽ゲームで人気のある楽曲＜Harmonia＞。
私達の演奏に、彼らの歌とダンスが添えられる。
クライマックスを迎え、幕が閉じられた。
と「正に圧巻でしたね！
これで、吹奏楽部と演劇部の合同舞台発表を終わらせて頂きます。
皆さん、素晴らしい物を観せてくれた出演者達に
もう一度大きな拍手を送ってあげて下さーい！」
こうして、数時間にも及ぶ舞台発表が締められた。

着替えを済ませ、はたさこ君がいた場所に向かう。
…良かった、まだいてくれてた！
しかもかわぞえ君達もいる！
か「お、はるかさん！演技上手かったんじゃな！」
う「お疲れ様、はるかっち。」
な「いやー、アンジュリカが失格寸前に
追い込まれた時はハラハラしたわー！」
『ありがとう！はたさこ君、どうだった？
演技と演奏、滅茶苦茶練習したんだから！』
は「あの…。凄い、面白かったです。」
何故か顔を赤くしながら、そう言ってくるはたさこ君。
なな湖君みたいにハラハラしてくれてたのかな。
だとしたら嬉しいなぁ。
『ありがとっ！』
は「……。」
彼は更に顔を赤くした。
それを見て、かわぞえ君がこんな事を言い出した。
か「そうじゃ！とりっぴぃが来たら六人で色々回る予定やったんじゃけど、
先にはたさことはるかさんで回ってきいよ！」
彼の発案に後の二人が乗っかる。
な「それ良えなあ！良えよなあ、まろ！」
う「うん、良いんじゃねえかな。
俺らとりっぴぃ待ってるから、二人で先に行ってきたら？」
相談する為に、はたさこ君の方を見る。
彼は赤い顔のまま、目をぱちぱちさせていた。

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