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二十一通目 ページ22

『アス先輩、音合わせお願いします!』
ア「はーいっと。どこから?」
『じゃあ、ここからで!』
ア「オッケー。」
楽譜を見ながら、それぞれ手にした楽器を吹き始める。
こうやって楽器を鳴らしている時は、何も考えなくても良くなる。
ア「…ふー。こんな感じかな。」
『ありがとうございます!
すっごいやりやすかったです!』
ア「それは良かった。
また何かあったら呼んでね。」
『はい!』
本当、良い先輩だなぁ。

やがて部活が終わり、帰る時間に。
ただ、今日から皆より遅い時間に帰る事になる。
そう思っていたら。
『あ!はたさこ君!』
は「あ、あの…。」
『まさかだけど、待っててくれたの?』
は「…はい。」
本当にまさかだ。
まさか、この時間まで待っててくれてたなんて。
『ありがとう!嬉しい!
じゃあ帰ろっか!』
は「はい。」
こうして私とはたさこ君は、肩を並べて歩き出した。
『そう言えば、他の皆は?』
は「その、うばまろ君は生徒会の集まりで、
かわぞえ君達は先に帰りました。」
『そうなんだ。』
は「と言うか、置いてかれました。」
『置いてかれたの!?』
は「かわぞえ君が、はたさこは残ってろって。」
『あ…、そうなんだ。』
何だそれ。
『何で、はたさこ君だけ置いてったのかな。』
は「さあ。」
『最近一緒に帰ってくれないよねー。
は!?もしかして私、知らない内に皆に変な事しちゃってたかな!?』
は「そ、そんな事は…!
宮村さんは、何も…!」
静かに、手を握られる。
何日かぶりの温もりだ。
『…はたさこ君って優しいね。』
は「…優しくなんかないですよ。」
『何か、はたさこ君なら好きになっても良いかも。』
は「えっ…!?」
『嘘だよー!』
は「…でしょうね…。」
この位の冗談は、許してくれるよね。

その次の日も、文化祭に向けての練習をする。
今回は演劇部の人達との合同での演技練習。
演技初心者の私を見てくれるのは、同い年の大人しめの女の子だった。
「宜しくお願いします…。」
『こちらこそ宜しくね!』
第一印象は大事だよね。
でも同い年相手に畏まるのは
あまり得意じゃないから、少しだけ砕けてみる。
向こうも柔らかい笑顔で返してくれた。
ホッチキスで留められた紙束の
後ろの方のページを開け、二人で読み込む。
そこで、ある事に気付いた。
『…これ、結構重要な役だよね?』
「そうみたいですね…。」
よく見ると、メインを張る部員は全て
ソロパートを任されている人ばかりだった。
あうぅ、私に務まるかなぁ…?

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月7日 11時

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