検索窓
今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:17,482 hit

十八通目 ページ19

話を聴いている内にチャイムが鳴り、そこで彼女と別れた。
結局、はたさこ君の所には行けなかったなぁ。
クラスに戻ると、かわぞえ君達が
はたさこ君の席にたむろしていた。
その中には、とりっぴぃ君の姿も。
と「あ、はるかりん!どこ行ってたの?」
『…ちょっと、友達と喋ってた。』
あながち間違いじゃない筈。
顔は見ない様にして、問い掛けに答える。
ごめんね。今は君の顔、ちゃんと見れないの。
見ちゃうと、辛くなるから。
無理矢理暗い気分を振り払う為、はたさこ君と話してみる。
『そう言えば、はたさこ君はどこに行ってたの?』
は「…。」
彼は俯いたまま、答えてくれない。
代わりになな湖君が答えてくれた。
な「昨日と一緒で、図書室に行っとったんやて。
一人になりたかってんな?」
無言でコクリと頷くはたさこ君。
午後の授業の開始を告げるチャイムが鳴って、
うばまろ君達三人が自分の教室に戻る。
その際にとりっぴぃ君が、私に向かって
バイバイと手を振りながら笑い掛けた。
何気無い仕草の筈なのに、今の私にはどこか恐ろしく感じた。

ホームルームが終わり、放課後。
今日もはたさこ君と二人で帰る事に。
かわぞえ君に<はたさこ君が上手く話せる様に
なるには集団よりサシが一番!>と口説いた結果、快く了承してくれた。
事実今のはたさこ君は、皆といる時より
二人でいる時の方が話せている。
これ、人見知りの人は誰もが通る道だよね。
集団では周りに気を遣ってしまって、話せなくなるものだから。
特に、異性が相手の時は。
この事は色んな人と話している内に気付いた。
だからこそ、私ははたさこ君と話したい。
そんな帰り道での会話。
『ねぇねぇ。昨日も今日も図書室にいたみたいだけど、
何で他の皆は誘わなかったの?
何か読みたい本でもあった?』
は「…宮村さんには、関係無いですよ。」
軽く話を振った筈が、素っ気無く返されてしまった。
これじゃ前に進めないよ。
慎重に、言葉を選ぶ。
『…ねぇ、はたさこ君。
もしかして、何か嫌な事でもあった?』
は「…何で。」
『だってあれだけ友達がいるのに、
一人で違う所に行っちゃうなんて変だもん。』
は「……。」
『言いたくなかったら別に言わなくて良いけど、気になったから。』
は「……。」
『それとも、私とは喋りたくないの?』
は「……っ!」
ぎゅっ。
『…え…?』
は「そんな事、無いですよ…。俺だって…。」
急に、手を握られた。
ふと見るとその顔は、夕焼けに負けない程赤く染まっていた。

十九通目→←十七通目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。