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十六通目 ページ17

とりっぴぃ君も、はたさこ君の様子が気になるのかな?
確かに同性の友達がいれば、彼も気兼ねなく話せるかも。
私は聞き手に回れば良いもんね。
『良いよ!行こ!』

でも…。
『あれ、図書室は逆だよ?』
と「良いから!まだ時間あるんだし、こっちから行こうよ!」
本来の目的地とは全く反対側の廊下を突き進んでいた。
それどころか、この道さっき通った様な…。
彼がポケットから鍵を取り出して錠を開け、ドアノブを回す。
と「入って。」
その一言に背中を押される様に、部屋に入ってしまう。
結局着いた先は、私達が先程までいた放送室。
部長や他の生徒、先生の姿は無い。
とりっぴぃ君も室内に入り、ドアを閉めて鍵を掛けた。
『ちょっ…!私達、はたさこ君の所に行くんでしょ?!』
と「…。」
黙ってブレザーを脱ぐとりっぴぃ君。
この時期は夏が過ぎたとは言え、まだ蒸し暑い。
それでも涼しくはなってきているけど。
と「はるかりんも、暑いでしょ?」
そう言いながら、私との距離を一気に詰めてきた。
と「今は俺以外見てないから、脱ぎなよ。」
その言葉に恐怖を感じ、ドアの方に向かおうとするが
彼が外に出してくれるとは思えない。
鍵閉めちゃってるし。
『い、嫌…!何で…!?』
こんなの、さっきまでのとりっぴぃ君じゃないよ…!
と「脱がないんだ。まあ、それでも良いけど。」
『な、何か怖いよ…!どうしちゃったの…!?』
と「今更白々しい演技しないでよ。」
前の時の様な落ち着いたトーンで話しながら、更に距離を縮めてくる。
その距離はもう、体と体の間に一ミリ程度しか隙間がない程。
と「はるかりんがはたさこ君の所に行く位なら…。」
後頭部を彼の右手で支えられ、嫌でも視線が重なる。
と「今ここで、俺のモノにするから。」
そう言って、彼は私の唇にそれと同じものを重ねてきた。

どれだけ抵抗しても相手は男の子。力では勝てない。
それどころか、開いた左手で私の右手を握って更に逃げられなくしてくる。
貪る様な口付けを、せめてもの抗いとして目を閉じて耐える。
身体が震える。でも耐えなきゃ。
でも何で震えるの?今のとりっぴぃ君が怖いから?
数分が過ぎ、やっと離された。
と「どう?俺のモノになる気になった?」
『な…、なる訳無いでしょ!?友達なのに…!』
と「君が早く答えてくれないからだよ?
俺、保留のまま待てる程気が長くないし。」
声のトーンが少しだけ戻った。その事に何故かホッとする。
それでも、私の彼への恐怖は消えた訳ではない。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月7日 11時

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