十通目 ページ11
〜〜〜はたさこ〜〜〜
半ば反射的に教室を出た。
宮村さんととりっぴぃ君が親密そうに
話している所を見た時から、何故か心の奥がムズムズする。
二人から離れても、まだそれが取れる気配が無い。
まさか…。いや、そんな筈は無い。
だって宮村さんは、俺が他の女子と
話せる様に考えてくれているだけだから。
クラスで見る限りの彼女の様子からすれば、
一連の行動は純粋な厚意からのものだろう。
あれらはただ話し掛けてくれただけ、ノートを見せてくれただけ。
俺だってそこまで単純じゃない。
今から次の教室に行っても、まだ開いていないだろう。
図書室にでも行って、適当に時間を潰そうか。
ドアを開けると、入り口に近い席に知っている人が座っていた。
は「稲野君。隣、良いですか？」
稲「…良いよ。」
稲野君が読んでいた本を閉じて、
隣の椅子側に置かれていた荷物をどけてくれた。
稲「珍しいね、はたさこ君が昼休みにここに来るって。」
は「まあ、そうですね。
彼女さんは一緒じゃないんですか？」
稲「今日は風邪で休みだってさ。」
そう言えば、彼と初めて話した場所もここだったな。
クラスは違えど、何かと波長が合うんだよな。
稲「一応、忠告しとく。
あんまり思い詰めてると、爆発した時に辛みが増すよ。
俺で良かったら聞くからさ。」
どうやら顔に出ていた様だ。
は「…誰にも、言わないで下さいね…？」
稲「うん、言わない。約束する。」
彼になら話せるかも。
教室にとりっぴぃ君が一人だけで来た事。
かわぞえ君が後の二人の事を訊いてもちゃんと答えなかった事。
宮村さんととりっぴぃ君が話している時に感じたムズムズの事。
それを、頭の中で纏め切れないまま稲野君に話した。
彼はそれでも適度に相槌を打ちながら聞いてくれた。
稲「俺の憶測だけどさ、…多分だよ？
とりっぴぃって宮村の事を独り占めしたいんじゃないかな。
そうでもなきゃ、はたさこ君達を遠ざけてる様な事言わないもん。」
は「俺達を、遠ざけてる…？」
稲「うん。で、最終的に宮村の気が
とりっぴぃにしか行かない様にする為に。」
は「何でそんな事…。」
稲「あいつ、宮村の事が好きなのかも知れないよ。」
その言葉を聞いた時、自然に掌に力を込めて握りこぶしを作っていた。
稲「まあ、はたさこ君はいつも通りにしてれば良いの。
あ、でも、宮村と出来るだけ話しといた方が良いかもね。」
やがてベルが鳴り、二人でほぼ同じに図書室を出た。
ちょっとだけ、気持ちが落ち着いたかな。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます！設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね！2ですね！了解しました！ (2018年2月6日 13時) (
レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます！大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです！！ｗｗｗ次の作品のアンケですが2がいいです！お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう！結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね！世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったｗ1か3了解！ (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう！いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる！次回は1か3!!次も頑張ってね！ (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます！地味に3銃士勢揃いは狙ってましたｗうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました！ (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
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