恐怖 １ ページ1
私が男という生き物に恐怖を持ち始めたのは四年前
そして、
ボーダーに入ろうと思ったのも四年前
私の人生は四年前に大きく変わったと
いまの私にはそう思う。
私はある部屋の前まできて立ち止まった
《会議室》
ゆっくりとドアが開き
中に足を踏み入れる
それと同時に、会議室にいた皆が一斉にこちらを向いた
「雨塚A。遅れてしまい申し訳ありません」
「御苦労」
左目の辺りに傷がある男
城戸司令がそうつぶやくと同時に
私は見慣れないメガネの男の横に座った
「揃ったな、本題に入ろう」
どうやら私を待っていたようだ
「待ってください！まだ三雲くんの処分に結論が出てない」
城戸司令の話の途中で口を突っ込んだのは
ボーダー本部長の忍田真史だった
「処分？」
ポツリとつぶやき隣に座るメガネに目をやる
メガネは何とも気まずそうにそこに座っていた
「三雲くん、もし今日と同じようなことがまた起きたらきみはどうするね？」
城戸司令の言葉に三雲が息を呑むのがわかった
究極な質問。
これをどう答えるかでメガネ、お前の人生が決まるぞ。
「それは………目の前で人が襲われてたら。」
「………やっぱり助けに行くと思います」
その言葉を聞いて確信した。
こいつはやる奴だ。
「ほれみろ！全く反省しとらん！クビだ！クビ！」
鬼怒田が叫ぶ中
私はガタッと音をたて立ち上がった
「鬼怒田さんそれ以上興奮すると、血圧上がるよ。というか、三雲の話はいいでしょ？イレギュラー門の話を進めて。私は時間ないの。」
それだけ言うと
またわざとらしく音をたて椅子に座った
三雲をチラッと見ると、
三雲の右隣に座っていた迅と目が合った
“Aちゃん、ナイス！”
と口パクで呟いた迅さんを無視して
私は会議に耳を向けた
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作者名：咲モン | 作成日時：2017年4月22日 8時
