雪の降る蒼空 ２

６２* ダメだよ ページ12

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ピンポーン



チャイムが鳴り、確認もせずに鍵を開けると


目黒｢大丈夫？｣


蓮くんが袋をぶら下げながら部屋に入ってきた


『え？どうしたの？』


目黒｢覚えてないの？

メッセージ、くれたでしょ

入ってい？ ｣



寝室に戻り頭を抑えながら携帯を開くと、


会いたい


と送っていた



『あー…ごめん』


目黒｢ん、いーよ

前もこんなんあったし｣


『あったかも…』


ボフン、とベッドに倒れ込む

撮影が終わって一息ついたからか、季節の変わり目だからか、半年ぶりくらいに体調を崩した


『蓮くん移るから帰っていいよ

仕事あるでしょ？』


目黒｢夕方から撮影だから大丈夫

ね、薬飲みなよ買ってきたから｣


『ん、』


目黒｢今日仕事無かったの？｣


『今日打ち合わせだけだったから別日にずらしてもらったの』


目黒｢俺が来れなかったらどうするつもりだったの？｣


『……ふっかとかに、連絡したと思う』


目黒｢嘘だね、A心配かけたくないからって自力で治そうとするでしょ｣


責める訳でもない、優しく私の頭を撫でながらそう言う蓮くん


『懐かし、前も同じこと言ってた気がする』


目黒｢何回でも言うよ、メンバーなんだし

それに…ね、｣


『うん、分かってる』


いつまで経っても、何年経ってもやっぱり蓮くんは優しい


『ほんと、変わらないよね…蓮くんは

ずっと優しい』


目黒｢Aにだけだよ、優しくするのも、心配するのも｣


『……そういうの、簡単に言っちゃダメだよ』



蓮くんが、普段とは違う真剣な顔でそう言うから

もう無理なんだよ、と



目黒｢ねぇ、なんでそっち向くの｣



壁の方を向いた私の顔を自分の方に向かせて蓮くんは



目黒｢じゃあAも、簡単に会いたいなんて言っちゃダメだよ

俺ら、こうやって会っちゃダメって分かってるでしょ？｣


『……ん、分かってる

あの頃とはもう違うから』



学校が終わった時間なのか、ラウールから連絡が来て、空気が穏やかになった

高校時代、懐かしいな……



『少し前までね、あの頃に戻れたらって、どうしても思っちゃう時があったの

でも離れて良かったんだろうね、私たち』


目黒｢正解かは分かんないけど、今思うと良かったのかもね｣



熱のせいでこんなことを話していたなんて、次の日の私は知りもしなかった









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このお話が書きたくて、｢雪の降る蒼空｣を描き始めたんです(笑)
やっと書けました、嬉しいです。

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