Toy Box 2

送っちゃった ページ27

5月某日





《こんばんは。Kis-My-Ft2の宮田俊哉です。》

「あ、始まった。」





前代未聞の緊急事態宣言

外出自粛、仕事も出来なくなって、ライブも次々に中止になった

自分にとって普通になっていた生活が、どんなに幸せな日々だったのか

Kis-My-Ft2と言うグループが、いかに自分にとって大きな存在で、メンバーが大切だったかを痛感する





《最近ね、》





定期的に会っていたメンバー達に会えなくなって、寂しい、恋しいと思い始めた今、こうしてメンバーから発信される情報を見たり聞いたりする事が、俺にとって一番の楽しみだ





《我がメンバーの北山宏光と。で…》

「あっ…」





北山の名前が聞こえて、思わずスマホに近付いた





《おはようって言われないと寂しくなっちゃう34歳だぜ？超可愛くね？》

「つっ…」

《キタミツがいじけちゃうから、今もね、毎日朝起きたら、ちゃんとおはようって送ってんだ。》

「………」




おはよう…か…

そっか…









数日後、宮田宅





「あ、キタヤンだ。…おはよう！」

『おはよ』

「何、何？直接おはようって言われたくなった？」

『違うわ！』

「アハハハ。どうしたの？」

『いやぁ、なんかさぁ…』

「ん？」

『なんか…最近さぁ、毎朝藤ヶ谷からおはようってLINE来んだよね…』

「え？ガヤさん？」

『うん。毎朝同じ時間に、おはようだけ送って来んの。なんか怖ぇんだけど(笑)何か宮田知ってる？』

「知るわけないじゃん。」

『だよな。』

「そもそも皆でラジオした日から会ってないし、電話も……あ！」

『え？何？』

「いや、何でもない。ねぇ、キタヤン。ちゃんと返信してる？」

『うん、一応。何か言いたい事あんじゃねぇかと思って…』

「んふふ。きっともうすぐ理由分かるよ。」

『は？お前やっぱ…』

「いや、ホントに知らない。けど、何となくそんな気がする。」

『はぁ？マジかよ。』

「うん。ちゃんと毎日返事返すんだよ。」

『へ〜い、分かったよ。じゃあな。』





そっかぁ…ガヤさんがね…

ガヤさん、ラジオ聞いてくれたんだな…

ふふっ、キタヤンに寂しいって言われたい為に、LINE送っちゃう32歳も超可愛んだけど！

頑張れ、ガヤさんっ！









藤ヶ谷さんからの【おはよう】がプツリと途切れ、【あれ？藤ヶ谷？】なんて、北山さんが作戦にまんまとハマってLINEを送っちゃうのはもう少し先のお話…

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