白い恋人 ページ25
東京に雪が降った日の朝は
なぜかいつも、少しだけ宏光の方が早起きで
「おい、太輔!雪、積もってんぞっ!」
いつも寒がりな宏光が、我先にとベランダに飛び出す
「雪だるま作ろうぜ!」
どっかの国の姫みたく声を弾ませて
俺の大好きな笑顔を見せながら、ベランダに積もった雪を手ですくい雪玉を大きくしていく
「なあ、なあ、こん位かな?」
「んふふ。だね。」
両手で支える程の大きさの雪玉を嬉しそうに見せるから、俺は少し小さめの雪玉を作って
「こっちが頭だね。」
「だな!」
二つの真っ白な雪玉を重ねたら、雪だるまの出来上がり
大事そうにベランダの真ん中に置かれた雪だるま
「ね、もう1個作ろうよ。」
「えー、寒いからやだー」
さっきまであんなにはしゃいでたのに、寒がり宏光はひとつで満足らしい
「ねぇ、1人じゃ寂しいって。この子が。」
「…むぅ……仕方ねぇなぁ…」
なんだかんだ文句を言いながらも、俺のお願いには弱い宏光
手をハーハーと温めながら、小さな雪玉を作ってくれた
「これが限界っ!部屋入るぞ!」
ポイっと俺の手に投げ入れられた雪玉は、小さすぎて今度は俺の雪玉の上へ
「んふふ。可愛いのができた。」
並べた雪だるまのサイズ感…
「俺と宏光みたいだ。」
ふたつの雪だるまをぴったりと寄り添わせた時
「太輔、ココア入れたぞ。」
宏光が俺を迎えに来た
「ありがとー!」
外の冷気が宏光の体を冷やす前に…と、飛び込んだ部屋
窓を閉めながら宏光が
「んふふ。俺達みたいだ。」
嬉しそうに呟いた
END
年始から暗いお話を投稿したお詫びです(笑)
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作者名:MISA | 作成日時:2018年3月2日 10時