Toy Box 2 (ページ23)

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DON'T WANNA DIE ページ23

7人全員で訪れたロケ地

一泊二日で予定されたロケで、用意されたのは海沿いのリゾートホテル

季節外れのホテルは閑散としていて、俺達のいるフロアは貸し切り状態だった

もちろん与えられた部屋は1人部屋

荷物を片付けていたら、コンコンと部屋がノックされた

「はい。」

「太輔、片付け終わった？俺、腹減ったんだけど。」

中途半端な時間に食べた昼食で、空腹を感じていなかったけれど、軽く食べておいた方がいいかも

「そうだね。どっか食べに行く？」

「うん。皆にも声掛けてくるわ。」

この辺りは何が美味しいんだろう

きっとメンバー全員で行くなら、宮田か北山あたりが調べるんだろうな

そんなことを思いながら、財布と携帯を探しに部屋に戻ると、タイミングよく携帯が鳴った

「ん？北山…？……はい、もしもし？」

『……藤ヶ谷？』

「うん。今、渉がそっち行かなかった？」

『…』

何も発さない北山に少し違和感を感じながら話を続ける

「渉が飯食いに行こうかって。北山どうするの？」

『…』

「……北山？」

何だか様子がおかしい

「もしもし？…北山？」

問いかけると

『飯かぁ…』

「あ…、うん。どっか良いとこ近くにあるかな。」

『…一緒に、行けば良かったかなぁ。』

「…北山行かないの？」

『ん……行けない…かな。』

…どこか北山らしくない返事

「北山？どうかした？」

『……なぁ…』

「ん？」

『…最後に…藤ヶ谷と一緒に飯行ったの、いつだっけ…』

「え？」

『最後の晩餐…すれば良かったなぁ…』

「…北山？」

いよいよ様子が変だと、焦りを感じ始めた時

「ガヤ、ミツ知らない？どこにもいないんだけど…。」

渉と一緒にニカ達が入ってきた

「え…今、北山と…」

どういうことだ？

北山は、俺達と一緒にホテルに…

「……北山？…今、どこ…」

ｻﾞｧｧｧｯ…

受話器から聞こえた音に思わず振り返る

視線の先…

漆黒の海の中

白い波に誘われるように少しずつ沖へと進む小さな影

「北山っ！？」

俺の視線を追って、窓辺に駆け寄り北山を見つけた渉が、弾かれたように外へと走り出した

それを見たニカが、泣き出しそうな顔で後を追う

それに続く3人…

俺は…一歩も動けなかった

．