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天使 ページ15

キラキラと光るイルミネーション

あちこちにそびえ立つクリスマスツリー

街に溢れる恋人たちや家族連れ

やたらと目立つケーキ屋の手提げ袋…





そう、今日はクリスマスイブ

楽しそうな雰囲気の中、俺達は朝から仕事詰め…

まぁ…24時間でラジオの生放送なんて、誰でも出来る事じゃなくて

それを俺達にって選んで貰ったんだから光栄な事

張り切っていきますよ!




スタジオの廊下にも、大きなツリーが飾り付けてあってスタッフさん達が盛り上げようとしてくれてるのが分かる

嬉しさに思わず足を止めて、見つめていると隣にすっと影が立った





「綺麗だね。」

「だな。」

「スタッフさん達だよね。ありがたいね。」

「だな。」

「頑張んなきゃね。」

「だな。」

「んふふ。北山は、ほぼフル出演だからね。」

「…」

「無理しない様にね。」

「うん。ありがと。」





会話が終わっても藤ヶ谷がずっとツリーを見てるから、俺も何となく立ち去りがたくて…

でもいつまでも一緒にいるのもおかしいかと、足を踏み出したところで藤ヶ谷の声が聞こえた





「ライブの時…」

「え?」

「空から降りてくる白い羽の中で歌う北山を見て…」

「…」

「俺…泣きそうになったんだよね…。」





藤ヶ谷はそう言って、そっと天使のオーナメントを指先で触れた





「見とれるくらい綺麗で…でも儚くて…手を伸ばしたら…ふっと消えてしまいそうだった。」

「藤ヶ谷…?」

「……消えないよね?」





俺の方に向いた藤ヶ谷の瞳は、不安げに揺れていて冗談なんかじゃない事を語ってた





「消える訳ないだろ。」

「ずっと傍にいる…?」

「いるよ。」





どうしてだろう

抱き締めたい

心細げな藤ヶ谷を抱きしめてやりたい


そう思った





「何が欲しい?」

「え?」

「クリスマスプレゼント。…藤ヶ谷が欲しいもの…サンタに伝えてやるよ。」

「…………北山。」





その答えは…

俺の心に大きな波紋を生んだけれど

不安も動揺もネガティブなものは何もなくて

むしろどこか喜んでいる自分がいる事を気付かせた





「分かった。」





そう一言だけ告げて、その場を立ち去った俺を

藤ヶ谷がどんな気持ちで見送ったのか…

それは…これから少しずつ知ればいい





生放送が終わったその日の夜





「メリークリスマス。北山サンタです。」





ドアの向こうから現れた笑顔の藤ヶ谷の胸に飛び込んだ






.

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作者名:MISA | 作成日時:2018年3月2日 10時

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