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2.(Fside) ページ8

「藤ヶ谷?!」





冷たい壁に宏光の体を押し当てて、じっと瞳を見つめた





「どういう事?」

「え?」

「俺がいるのに…。2人っきりで…」

「藤ヶ谷、何言って…」

「ニカの事好きってどういう事?」





宏光がハッと息を飲んだのが分かった





「2人で…嬉しそうに笑い合ってんじゃねぇよ!」





悔しかった

あの時の宏光の笑顔が…

2人を包む空気が…

俺が入る隙間なんてないくらい幸せなものに感じられて

何よりも、それが辛かった





「こんなに…俺…宏光の事愛してるのに…」

「…太輔。」

「なんでニカなの…」





宏光の小さな手が…俺の頬をそっと撫でる





「勝手に勘違いして泣いてんじゃねぇよ…」

「え…」

「バカ太輔。」





宏光が俺をそっと抱き寄せた時、バンッという凄い音と共に開いたドア

そして





「ガヤ、誤解なんだよっ!」





その音よりもデカイ声と共に入ってきたニカ

そしてこの後、さっきの会話の真相を二人から聞く事になるんだけれど…





……





「大体さ、お前と言う恋人がいながらニカに告白する訳ないだろ。」

「いや、そうだけどさ…。そう思ってたからこそ、2人きりで好きとか言ってるの聞いて、制御効かなくなったんだよ…」

「こういう時期なんだし、今回は皆ソロやってんだし、企画の事だってちょっと考えれば分るだろ?」

「…ごめん。」





そう、さっきのニカと宏光の会話はニカのソロの企画の事で…

『俺はお前の演出、結構好きだよ。』

自分の演出に不安を感じたニカが宏光に相談を持ちかけた…その答えだったらしい…





ニカが宏光に特別な感情を持っていた事には気付いてた

ニカだけじゃない

恋愛感情とまでは行かなくても、メンバー全員、宏光の事を大切で大好きだって事は見ていればわかる

分ってるから…メンバーと言えども、あんな場面に出くわせば俺は冷静な判断なんて出来なくなるんだ

なのに…俺のこんな苦労を

隣でグチグチ言ってる鈍感最年長は分かってない






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作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

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