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君と見る光1.(Fside) ページ7

「ったく、お前は…」

「はい。すいません…」





帰りの車中

助手席の宏光が呆れ顔で、これ見よがしに溜め息をつく





「大体お前は暴走し過ぎ!」

「はい。仰る通りです…」





まだまだ続きそうな宏光のお説教を、俺は運転しながら聞いている

こんな時に限って全ての信号に止められてる自分をもう心の中で笑うしかなかった





事の発端は3時間前

アルバムの収録も終わり、俺達は7月から始まるツアーの打ち合わせを始めていた

良いものを作りたい

皆の想いが少しずつ形になっていくこの時間を、俺は結構好きだったりする





セットリストもほぼ決まり、後は振り付けなども含めたリハーサルを進めながら演出を煮詰めていく

そんな時間を朝から過ごして休憩に入った時だった

自動販売機の置かれた小さな休憩スペースに向かった時、





「…好きだよ。」





中からはっきりと聞こえた恋人の声





「ホント?」





そして、不安げなニカの声…





「うん。ニカが思ってるよりずっと…俺、好きだよ。」

「ありがとう。…良かった。俺。ずっとミツがどう思ってるのか聞きたかったんだ…」





チラリと見えたニカのはにかむような表情と

宏光の嬉しそうな笑顔…

ドキドキと心臓が高鳴り、一気に体中の血が湧き上がった気がした





愛してるからこそ…信じてるからこそ許せなかった

俺という恋人がいながら、寄りによってメンバーに好きだなんて…





怒りで正常な判断なんて出来なかった

俺は怒りのままに休憩スペースに乗り込んだ





「あ、ガヤ。」

「…今何話してた?」





自分でも驚くような低い声

俺の様子に気付いた2人が一瞬顔を強張らせた





「え?どうした?藤ヶ谷。」

「二人で何話してたか聞いてんだよッ!」

「…あ…」





俺の意図した事が分かったんだろう

ニカが小さく声を漏らす





「あ、あのね、ガヤ…」

「え?何怒ってんの?」





焦ったようなニカの態度、ポカンと俺を見つめる宏光の表情が益々俺の怒りを煽った





「来い。」

「…痛っ…っ…ちょ、どうしたんだよ?!」

「ガヤっ!」





ニカの声を無視して、宏光の手を引くと無理やり立たせてスペースを出た





「藤ヶ谷?!何なんだよ。手、離せって!」





ズルズルと引き摺られるように付いてくる宏光を強引に引き寄せて、空いている部屋に無理矢理押し込んだ






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作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

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