検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:302,982 hit

我輩は猫である2 ページ45

「ずっと鳴いてるなぁ。お腹空いてんのかな…。」





藤ヶ谷に俺だと伝えたくて、何度も試してみるけれど、伝わる気配は全くなくて

藤ヶ谷は困った顔で、俺を見るばかり…





「ミルクあげてみようかな…」





そんな声の後、目の前に藤ヶ谷らしいお洒落な器に注がれたミルクが差し出された





悪いな、藤ヶ谷

生憎腹は減ってない

俺はお前と話したいだけなんだ





伝える事を諦めて、器の前でふて寝する

すると





「あれ…元気無くなっちゃった…。どうした?ミルク嫌い?それともお腹空いてない?」





優しく優しく撫でられる頭

少し眠くなって目を閉じた





「あ……え?大丈夫?どっか苦しい?」





再び抱き上げられて、見上げた顔は泣きそうで





「ミー」





大丈夫だよって伝えたくて、目の前の大きな手を、ペロペロと舐めてみる





「ん?…ミルク飲んでみる?」





今度は小さなスプーンに掬われて差し出されたミルク

欲しい訳じゃないけど心配かけたくないから、ペロペロと舐めると





「あ!飲んでくれた!」





藤ヶ谷は、嬉しそうに笑った





俺を優しく抱き締めたまま、藤ヶ谷がソファに座る

それを待っていたかのように、愛犬のベルが藤ヶ谷の隣へと上ってきた





ごめんよ、ベル

今日はお前のご主人様の胸を俺に貸してくれ





「んふふ。ベルも抱っこして欲しいの?良いよ、おいで。」





ベルを膝に導くと、優しくゆっくりと背中を撫でてやっている





「ミャー」

「ん?」

「キャンキャンッ!」

「んふふ。二人とも仲良くしてよ。ベル、この子ね、マンションの前で震えてたんだ。きっと寂しかったんだと思うんだ。」





ペットは飼い主に似ると言う

ベルも藤ヶ谷に似て優しいんだろう

藤ヶ谷の話を聞いて、理解したように「クゥン」と悲しそうな鳴き声を出した





「なぁ、ベル……この子、うちで飼っても良いかなぁ。なんか…北山に似てるんだよなぁ。このクリクリの眼とか首傾げる仕草とか…。」





……え?

思いがけず、藤ヶ谷から俺の名前が…

いや、似てるんじゃなくて、俺、北山なんだよ!





「名前、ヒロにしようかなぁ…。でもメンバーとかに知られたら、ビックリされるよね。」





ええ、ええ、ビックリしたけどね!







「特に北山には絶対知られちゃダメだな。」





いや…もう知っちゃってます…





.

我輩は猫である3→←我輩は猫である1



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
875人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。