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封筒の中から生まれた夢1 ページ42

午前中に仕事を一つ終えて、午後からレギュラー番組の打ち合わせに局の会議室へと向かう

続く長い廊下は沢山のスタッフが行き来していて、外の空気を纏っているのは自分だけだ

挨拶を交わしながら目的の会議室に入ると、誰もいないはずの部屋にちょこんと座る背中があった





「…おはよ。」





挨拶をすると、その背中はゆっくりと俺を振り返る





「おう。おはよ。」





ふっと微笑む柔らかい笑顔

甘い声は今日も健在のようだ





「早いね。」

「うん。前の仕事が、早く終わった。」

「そう。」





短い会話を交わしながら、北山と一つ席を置いた定位置に座る

北山は、手元の資料に目を落としたままだ





「ん?何これ……あ…」

「んふふ。気付いた?スタッフさんからの差し入れだって。粋な事するよね〜。」





目の前のテーブルには、資料とは別に茶封筒がメンバー分

その中には差し入れのお菓子が入っていた





「……7年か…。」

「だな。」

「長かったような…」

「あっという間だった様な?」

「そうだね。」





パサリと資料を置いて、北山が俺を見る





「色々あったもんな…。」

「そうだね。デビュー前も大変だったけど、デビューしてからの方がもっと大変だったかも。」





デビュー前は、夢に向かってただがむしゃらに頑張って来た

自分達には何が足りないんだって、日々悩みながら…





「だなぁ…。波乱万丈…ての?」

「んふふ。山あり谷あり。」

「紆余曲折(笑)」





くはは、と笑う目じりの皺

懐かしむ様に笑うけれど

自分達ではどうする事も出来ない、大きな壁や波に何度も潰されそうになった





「けど…何とかここまで来ましたよ。」





そう言う北山の瞳の先には、きっともう大きな未来が描かれているんだろう





「うん…。……北山がいてくれたから…ここまでやって来れた…。」





普段は絶対に言わない事…

だけど、二人きりの今…

この記念日に、自分の想いを伝えても良いだろ…?








.

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作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

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