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晴れた日の雨は 3 ページ31

普段の彼の切れのあるダンスは鳴りをひそめ

ゆっくりと…柔らかに…

流れるようなステップは続く





「北山くん、最高っ!そのまま続けてっ!」





彼は、優しい頬笑みを浮かべたまま、空を見上げてターンする

そして…ぴたりと足を止めると





「…藤ヶ谷も来いよ。」





甘い声で…俺を誘った





それはまるで甘い蜜に誘われる蝶のよう…





いつの間にか空に大きく橋を架けた7色の虹

それを背に背負ったまま微笑む君から目を離せないまま

導かれるようにゆっくりと彼に近付いた





「んふふ。ほら…。」





再び踊り始めた彼の体から弾け飛ぶ雨は、太陽を受けてキラキラと煌めく





「一緒に…踊ろう。」





カメラのシャッター音

激しさを増す雨の音

遠くで響く雷の音





それだけが俺達のダンスを導くBGM





雨を弾きながら、軽やかに刻む彼のステップに

続く様に足は動いていく





いつもそうだった





彼のダンスは…

人を…俺を魅了する

どんな時だって

どんなステップだって

彼と踊れば、最高のステップへと変化する





「すげぇっ!!!」

「最高!」

「もっと、もっと!」





スタッフから上がる称賛の声

カメラマンの煽る声





それらに突き動かされるように、ダンスは激しくなる





やがて…

聞こえていた声は…音は…俺の耳から遠ざかり

まるで、俺達だけが異次元に迷い込んだみたいな…

そんな錯覚さえ覚える程、俺は彼とのダンスにのめり込んでいた







.

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作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

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