検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:302,980 hit

晴れた日の雨は 2 ページ30

「ここです!」

「お、いいじゃん!」





少し水かさの増した小川が、心地よい音をたてて流れている

その先に、緑に囲まれて静かに佇む小さな池





「なんか良いな。」

「うん。落ち着くね。」





2人で目の前の景色を見つめていたら





カシャッ





「いいね。そのままの雰囲気で。適当に話してて。」





何かを感じたんだろうカメラマンが、これまで以上にシャッターを切り始めた





しばらく静かな景色を前に彼と談話を続けていた時だった





「……え…?……うわっ!」





突然の大雨

遠くで雷の音がする





「マズい!どこか屋根のある所に避難しましょう!」





焦るスタッフ達

周りを見渡せば、少し離れた所に小さな休憩所が見えた





「あ、あそこ…」

「行きましょう!」





スタッフ達が、慌てて機材を運びだす中

あっと言う間に、色を変えていく衣装





「行くぞ、きたや…」





走り出そうと振り返った俺の目に映ったのは

空を見上げて、雨を受け止める彼の姿





目を閉じて静がに空から落ちる滴を抱くその姿は…





「……っ…!ちょ、ちょっと待った。」





カシャカシャ…





我に返ったカメラマンが、慌ててカメラを構えるほどに美しかった





夢中でシャッターを切るカメラマン

それを知ってか知らずか、未だ空を見上げる彼





俺は…





息をのんでその姿を見つめていた





どれくらい経っただろう…

いや、きっと数分しか経っていない

けれど彼を包むその景色は

まるで一枚の絵画のように時間を止めて見えた





もう、衣装は乾いたところを探す方が難しい

髪から流れ始める雫に再び我に返った時





彼は…

ゆっくりと俺に視線を移すと、ふわりと笑って…





「ぇ…」





リズムを刻み始めた






.

晴れた日の雨は 3→←晴れた日の雨は



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
875人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。